1960年代の高度経済成長は、大量のエネルギーの使用によって支えられてきた。ところが、1973(昭和48)年の「石油ショック」により、わが国をはじめとする石油消費国は大きな打撃をうけ、高度経済成長はとまり、世界の経済は長い不況の時代にはいった。
1980年代にはいると、黒字貿易国の日本に対して、アメリカを先頭にEU諸国や発展途上国は、農・畜産物などの市場開放や内需拡大を要求し、貿易摩擦が強まってきて、わが国をとりまく世界経済はいちだんと厳しくなってきている。
高度経済成長時代には、商品の流通が活発になり、遠野でも商店の数が増え、いろいろな商品が目に入るようになった。
1965(昭和40)年ころから、人口流出対策や地域産業の多角化をはかるために工場誘致も進められた。しかし、様々な試みにもかかわらず、産業の格差は、そのまま地域の所得や生活水準の格差となって残り、長い経済不況のなかで、その解消はいっそう難しくなり、今でも課題として残っている。 |