北上高地は全体が起伏の多い高原状の山地で、その中心部に遠野盆地が開けている。盆地の北に、北上山地の最高峰である標高1,917mの早池峰山があり、東に六角牛山、西に石上山がある。この遠野三山をつないで標高1,000m前後の準平原が連なって盆地の縁取りをしている。
盆地の中央を貫流する猿ヶ石川の水源地は薬師岳である。この川が小烏瀬川、早瀬川、来内川などを合わせて盆地底部をつくり、小友川を合わせて西に流れ、田瀬ダムの下流で、宮守川、達曽部川と合流し、花巻市内で北上川にそそいでいる。多くの谷がV字谷であり、平地への出口に扇状地を形成している。代表的な扇状地は青笹町糠前に見られ、果樹園や畑地に利用されている。
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