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第2章 古代の遠野...歴史的分野

2 平安時代の遠野

アテルイ

 平安時代になると、朝廷は本格的に東北地方への進出を始めた。エミシたちはこれに強く反抗した。780年にアザマロが起こした反乱は、ついに朝廷軍とエミシ軍の戦争となった。
 801年、朝廷は坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)を征夷大将軍とする10万の兵を送り、エミシたちはアテルイをおしたててこれと戦ったが破れた。この戦いの後、朝廷は東北地方の根拠地として胆沢城を築き、さらに志和城・徳丹城を築いて支配地域を北へ広げた。
 そして、9世紀のはじめころには、朝廷は東北地方のほぼ全域を支配するようになった。
 朝廷は、東北地方にも国や郡をおき、戸籍をつくって納税の義務をおわせ、きびしく税をとりたてた。また、国司には中央の貴族を任命したが、郡司にはエミシの豪族をとりたてた。
 こうして、反抗していたエミシもしだいに律令制度にくみこまれていった。

〔アザマロ〕
 アザマロはエミシだったが、朝廷に従っていた。しかし、朝廷のエミシ支配に不満をいだいて伊治城で反乱をおこし、朝廷の役人を殺した。
 さらに多賀城も焼き払った。

〔アテルイ〕
 アテルイは胆沢地方を根拠地にするエミシの長であった。780年には征夷軍を大敗させたが、坂上田村麻呂の大軍と数度にわたって戦い、802年には降伏した。アテルイは平安京に送られ殺された。彼の勇ましかった戦いぶりは、東北の各地の伝説になっている。

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ヤマトの文化

 坂上田村麻呂の軍は猿ヶ石川をさかのぼって、遠野地方にも入ってきたという伝説がある。その頃に、麻の栽培や養蚕の技術、さまざまな穀物などが入ってきたと言われるが明らかではない。遠野地方の人々が農業にとりくむようになり、稲作を始めるのは蓬田遺跡のモミ圧痕付きの土器が示すように、8世紀以前と考えられる。。
 また、広い山野では牧畜も行われるようになり、土淵・上郷・小友などでは砂金採集がさかんに行われるようになったのであろう。
 馬と砂金は重要な税でもあった。
朝廷の北進年表
できごと
  武内宿彌(たけのうちのすくね)が日高見国を討つことを提案する
724 多賀城を築く
759 多賀城より北方の税を金にする
桃生城を築く
767 伊治城を築く
774 蝦夷が反乱をおこし桃生城を陥す
780 アザマロが反乱をおこし桃生城を焼く
786 第一次征夷大将軍紀古佐美、アテルイに敗れる
794 第二次征夷大将軍大伴弟磨呂が蝦夷軍に勝つ
801 第三次征夷大将軍坂上田村麻呂が蝦夷軍に大勝し、アテルイに敗れる
802 坂上田村麻呂が胆沢城を築く
803 志和城を築く
811 文室錦磨呂が爾薩体(にさつたい)・閉伊地方の蝦夷を討つ
813 徳丹城を築く

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遠野七観音

 平安時代の朝廷の支配が及ぶとともに北東北にも仏教が伝えられた。
 遠野では、9世紀のはじめには早池峰山を中心にして、素朴な山岳信仰があったとされ、9世紀の中ごろには天台宗や真言宗が伝えられ、附馬牛には妙泉寺(みょうせんじ)が建てられたと考えられている。
 遠野七観音がつくられたのもこのころだという伝説がある。
 仏教を政治支配に利用しようすることは、このころの朝廷の重要な方針でもあった。

〔早池峯神社〕
 おそらく遠野地方でもっとも古い神社で、806(大同1)年に来内村の猟師始閣藤蔵(後に普賢坊)が山頂に一宮を建てたことに始まったといわれている。
 その後、円仁(慈覚大師)が9世紀中ごろに宮寺として妙泉寺を開いたと伝えられている。妙泉寺は、はじめ天台宗だったが、のちに真言宗にかわって明治には廃された。

〔遠野七観音〕
 9世紀中ごろ、円仁が一本の木から7体の観音像を刻んで、遠野の7ヵ所に祀ったといわれている。小友の山谷観音、松崎の松崎観音、上郷の平倉観音、鱒沢の鞍迫観音、宮守の宮守観音、土淵の栃内観音、附馬牛の笹谷観音がそれである。


山谷観音(小友)
鞍迫観音(鱒沢)
山谷観音(小友) 鞍迫観音(鱒澤)

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遠野市教育委員会・中学校社会科副読本編集委員会