〔伊能嘉矩〕
1867(慶応3)年に遠野に生まれ、岩手師範学校を中途で上京、人類学研究をすすめた。1895(明治28)年には台湾に渡り、台湾の地理・歴史・人類学研究をし、帰郷して「台湾文化志」を著した。郷土研究にも熱心で「上閉伊郡志」「遠野史叢」「遠野夜話」などの著作がある。
1925(大正14)年に、病のため59歳で死んだ。
〔佐々木喜善〕
1886(明治19)年に土淵に生まれ、早稲田大学に学び、作家を志すが、24歳ごろ柳田國男に出会ってのちは、民俗学を研究して遠野を全国に紹介した。
土淵に帰ってから村長などの公職のかたわら文学や民俗学の研究をすすめたが、1933(昭和8)年48歳で病没した。「奥州のザシキワラシの話」「江刺郡昔話」「東奥異聞」などの著作がある。
〔鈴木重男〕
1881(明治14)年に遠野に生まれ土淵小学校長など教師をしながら郷土史研究にあたり、遠野郷土館を開設した。父の吉十郎も熱心な郷土史研究者だった。
伊能嘉矩や佐々木喜善らと郷土研究会を結成して遠野の郷土史・民俗学研究熱を高めた。
1939(昭和14)年に、58歳で死んだ。伊能嘉矩との共著に「石器時代遺物発見地名表」がある。