
今年度1回目の遠野市上下水道事業審議会が、きのう開かれました。この審議会は有識者や市民から広く意見を聞き、遠野市の水道事業と下水道事業について効率的で効果的な運営を図ることを目的に設置されています。今回は、高室配水区の取水施設から配水施設までの一連の流れを見学することで、水道施設への理解をより深め、「第2次遠野市水道ビジョン」の中間見直しに向けて水道事業が抱える課題を確認することを目的に、7人の委員が出席し5つの施設を見学しました。見学後、浄化センターに場所を移すと意見交換が行われました。また、審議会で委員を務める総務省経営・財務マネジメント強化事業アドバイザーの菊池明敏さんも施設見学を終えての所見を話しました。菊池さんは、遠野市の水道がしっかりとした構造のもとに作られていることに触れ、より自然に近い形で水を浄化する方法を用いて市内4分の3以上をまかなっていることの素晴らしさを伝えた一方で、土淵町にある琴畑取水場を水源とし、市内74.54%をまかなっている高室浄水場まで7.9キロメートルある導水管が40年以上経過し、老朽化が進んでいることへ問題提起しました。遠野市では、老朽化への対応を目的とした適正更新や上下水道一体となった耐震化の推進、将来を見据えたダウンサイジングいわゆる小規模化が今後の課題とされています。次回の審議会は9月を予定していて、水道事業の将来の事業環境や老朽化対策をテーマに意見を交わすことになっています。