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第1章 地域の中で生きる...公民的分野

3 地域文化の継承と遠野の観光

遠野の郷土芸能

 遠野には、わたしたちの先祖が守り伝えてきた郷土芸能が数多く残っています。各地域にどのような芸能が伝わっているのか、調べてみよう。

○しし踊り
 遠野の「しし踊り」は、鹿の頭をかたどった木製のしし頭をかぶり、前に幕をいだき、背にカンナガラを垂らして踊る。
 「幕踊り系しし踊り」「カンナガラしし」と呼ばれる。起源は相当古く、明らかではないが、約三百数十年前から踊られていたと伝えられている。各地域にそれぞれ由来がある。民話のふるさとにふさわしい情緒をかもしだす踊りで、「ドンスコド」という太鼓のリズムはたいへん印象的なものである。現在は綾織・小友・松崎・附馬牛・土淵・青笹・上郷・宮守に合わせて15の保存会があり、それぞれの地区で活発な活動を行っている。
 ▼勇壮なしし踊りの舞
▼勇壮なしし踊りの舞

○神楽
 遠野には、神人神楽と山伏神楽の神楽が伝わっている。「神人神楽」は早池峰神楽から派生したもので、ゆるやかなテンポで優美さがある。「山伏神楽」は各地に定住した修験山伏が伝えたもので、早くて躍動感がある。
 市内では22の保存会が各地に伝わる神楽を伝承している。
 ▼神楽は早池峰山への 信仰を忍ばせる
神楽は早池峰山への信仰を忍ばせる

○南部ばやし
 「遠野ばやし」ともいわれ、町方の踊りの代表である。遠野南部第22代直栄が京都の「祇園ばやし」を模して遠野の特色を取り入れ生み出させたものである。山車をしたがえ、笛・太鼓・三味線の音色と踊り手のかけ声が響き合う様子は、あでやかで優雅である。またゆったりとした調子はいかにも遠野郷らしい雰囲気をかもしだしている。
 ▼町方の代表的な踊りの南部ばやし
町方の代表的な踊りの南部ばやし

 これらの他に「さんさ踊り」「太神楽」「虎舞」「田植え踊り」「行山流湧水鹿踊り」などが郷土芸能として伝わっている。何度か途絶えそうになったものを地域で復活させたり、後継者育成の視点で学校としての取り組みを行ってきたところもある。わたしたちには、伝統としての自分たちの文化を継承しようという強い気持ちを抱きながら、地域の郷土芸能を守っていく役割がある。

○遠野まつり
 遠野の祭りのなかでも最大規模をほこり、毎年9月に行われているのが「遠野まつり」である。
 「遠野まつり」は遠野市あげての大イベントとなっている。約4,000人が参加し、市民の大切な行事として、また観光の目玉という位置づけで取り組まれてきている。
 遠野市の各地域に伝わる郷土芸能・御輿など約60団体が一同に集まり、昼は郷土芸能パレード、夜には郷土芸能競演会が行われる。市内各地の郷土芸能がものすごい迫力で踊られる様子からは、遠野市民のエネルギーの大きさとその意気込みを感じることができる。
 また、遠野郷八幡宮境内の馬場では、「流鏑馬」と各地の郷土芸能団体による「馬場めぐり」が行われる。この流鏑馬は、かつての城下町、また馬産地として等、多くの遠野の姿をしのばせている。「遠野まつり」は県内外にも広く紹介され、「『永遠の日本のふるさと遠野』のまつり」として注目されており、全国からたくさんの観光客が訪れるようになっている。
▼多くの団体が参加する郷土芸能競演会
多くの団体が参加する郷土芸能競演会
▼古式ゆかしき流鏑馬
古式ゆかしき流鏑馬

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遠野の信仰

 遠野にはさまざまな信仰が残っている。その信仰は柳田國男の「遠野物語」によって紹介された。「民俗学のふるさと」である遠野には、いったいどのような信仰があるのだろうか。

○オシラサマ
 オシラサマは一般に養蚕の神、目の神・家の神として祭られている。養蚕の神としての信仰は、ある長者の娘と馬の悲恋の物語がもととなっている。オシラサマは軸になる桑の木の先端に目や鼻を刻み、きれいな模様の布をかぶせたものである。
 オシラサマの祭りは、毎年小正月の16日に行う家が多い。祭りの日には新しい布を前年の布地の上に重ねて着せる風習がある。
▼養蚕の神である「オシラサマ」
養蚕の神である「オシラサマ」

○コンセイサマ
 昔から信仰を集めてきた石や木でできた御神体である。子宝の神、縁結びの神、安産の神、そして豊作の神としての信仰がある。
 土淵町山崎と程洞神社のコンセイサマが有名である。

○サイノカミ
 遠野には「サイノカミ」という地名が多い。「サイノカミ」は村境や峠、そして交差点にある石碑で、道路を護り、悪霊が集落の中に入るのを防ぐ役割があるとされた。松崎町駒木の「サイノカミ」が有名である。

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遠野の観光

 遠野市は豊かな自然景観を中心に、素朴な人情、伝統ある郷土芸能などの観光資源に恵まれており、「永遠の日本のふるさと遠野」を全国的に広く宣伝し、観光客誘致を積極的に進めている。
 遠野市には、五百羅漢・早池峯神社・南部曲り家などの歴史的遺産をはじめ、『遠野物語』の誕生と背景を知ることができる「市立博物館」、民話と民芸の「伝承園」、そして山里の暮らしを体感できる「遠野ふるさと村」などの観光施設がある。

〔遠野市観光客入込数〕

 (遠野市統計書より)

 近年、観光レクリエーション活動も「みる観光」から「する観光」へと意識変化してきていることや、日本のふるさとを再考するグリーン・ツーリズムの考え方から、遠野への観光が注目されている。特にも「遠野ふるさと村」はさまざまな体験プログラムを通して、昔ながらの暮らしの知恵や技を「まぶりっと」から教わるかたちをとっている。このプログラムは、遠野の自然と文化を学ぶことができるので人気を集め、各地の修学旅行生などでにぎわっている。
 全国的に「ふるさと志向」の風潮が強まっており、遠野物語の世界・歴史的遺産・史跡などを訪れる修学旅行生や観光客が増加している。

遠野ふるさと村
 遠野ふるさと村は、懐かしい農村を再現した場所。曲がり家集落のあるのどかな風景の中で、さまざまな農村体験を行い、遠野郷の自然と素朴な人情にふれるひとときが過ごせる場所である。
 また、時代劇をはじめとしたTVドラマ等の撮影が行われることも多い。
養蚕の神である「オシラサマ」
伝承園
 『遠野物語』の話の提供者で民話研究者・佐々木喜善の記念館や国重要文化財に指定されている南部曲り家・菊池家、おしら堂などがあり、工芸館では、民芸品づくりの実演をしています。
伝承園
遠野風の丘
 風力発電の風車が印象的な道の駅。観光案内はもちろん、遠野の農産物を直売する物産ホールや郷土料理が味わえるレストランも完備し、休日は観光客でにぎわっている。
遠野風の丘
遠野市立博物館遠野城下町資料館
 「『遠野物語』『遠野の山・里・町のくらし』『遠野の先人』とさまざまな角度から」遠野の歴史や文化を知ることができる。また、遠野城下町資料館は、遠野がかつて交通の要所として、また城下町としての様子を知ることができる。
遠野市立博物館
〔めがね橋〕
 「めがね橋」とは、JR釜石線の宮守駅から南に300mほど行ったところにある宮守川をまたいでいる宮守川橋梁のことである。花巻市出身の童話作家宮沢賢治の代表作「銀河鉄道の夜」のモチーフになったとも伝えられるアーチ橋である。春・夏・秋の観光シーズンにはライトアップされ幻想の世界を演出している。
めがね橋

「グリーン・ツーリズム」とは  グリーン・ツーリズムとは、「緑豊かな農山漁村地域において、その自然、文化、人々との交流を楽しむ、滞在型の余暇活動」です。(農林水産省HPより)
 都市の人々は余暇活動のニーズや自然回帰志向があり、村側には地域おこしのニーズがあり、双方の架け橋になるのが「グリーン・ツーリズム」です。
 農村体験施設「遠野ふるさと村」やNPO法人「遠野山・里・暮らしネットワーク」などが中心となり「遠野型グリーン・ツーリズム」が展開されています。
 ▼「炭焼き学校」の様子
「炭焼き学校」の様子

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遠野市教育委員会・中学校社会科副読本編集委員会