
福祉の専門職を対象に最新のVR技術を活用して認知症のある人が感じている不安や戸惑いを学ぶ研修会が先週水曜日総合福祉センターで開かれました。この研修会は何気ない行動が認知症の人にどれだけ恐怖や不安を与えているかVRで疑似体験し、さらに寄り添った支援ができるよう遠野市社会福祉協議会が開きました。研修会には市内の福祉事業所からおよそ50人が参加しました。この日は講師に千葉県を中心に高齢者向け住宅の運営や認知症の人に向けたVRコンテンツの企画・開発を行っているシルバーウッドの大野彩子さんを迎え、認知症の人が周りの人にどのような接し方を望んでいるか、また安心して暮らすために必要な社会について学びました。研修では距離感がつかみにくくなる症状や本来は存在しないものが見える幻視の症状など、認知症の人に起こる症状をVRで疑似体験しました。そして3人から5人のグループに分かれ「周りの人にどう接してほしかったか」意見を交わしました。参加した人たちは疑似体験を通して認知症の人とのこれまでの関わり方を振り返り、今後の支援に生かす手がかりを得ていた様子でした。また大野さんは目の前にいる人の状況を理解して寄り添う姿勢の大切さを強調。参加した人たちはうなずきながら話に聞き入っていました。今回の研修を通して参加した人たちは認知症の人に「寄り添う」ことの重要性を改めて認識していた様子でした。