遠野の農村ワーキングホリデー
1.遠野の農家に居候してみる
2.ワーキングホリデーとは?
3.受け入れ農家のみなさん
4.申し込む前にお読みください~注意事項など~
5.申し込み方法・実施までの流れ
6.ワーキングホリデー体験者からの感想
○遠野の農家に居候してみる
最初は無口だけれど、なかよくなればおしゃべりな人々。
気候のきびしいところだけれど、そのぶん四季のめぐりが印象的な日々。
盆地にかこまれているけれど、空はどこまでも大きく、女性的な山々がつらなる天地。
携帯の通じないエリアが多いけれど、神々との交流がさかんなところ。
そんな遠野の、そんな農村の、そんな人々と、ともに働く。
そうやって農村を感じ、農家を知り、友達をつくる。
それが遠野のワーキング・ホリデー。
貴方が農家を手伝って、汗を流してくれた分、遠野の農家は嬉しい。
そして、 遠野の農家が貴方にあげられるのは、いつもと違う暮らし、いつもと違う時間の流れ、いつもよりおいしい食事のひととき…。
それが遠野流のワーキングホリデー!
○ワーキングホリデーとは? ~農作業を通した交流~
■農家の居候体験
遠野では農家の居候体験が出来る「農村ワーキングホリデー」(以下『ワーキングホリデー』と略)があります。
ワーキングホリデーとは、
①参加者は農家に寝泊りする
②滞在中は家族の一員として、仕事や家事を手伝う
③三食を共にする
④空き部屋あるいは離れが寝室して提供される
⑤両者間には金銭のやり取りがない
⑥参加者はたいてい個人、年齢、職業、居住地は様々というもの
ワーキングホリデーを受け入れるの農家のメリットとして、「労働力の提供」「金銭のやり取りがないので、気を使わず、交流の輪が広がり、友達作りが出来る」などがあります。
■農家が第2の家族に
遠野のワーキングホリデーの特徴としては、一人の参加者の滞在期間が比較的長いことが挙げられます。
このように滞在期間が長いのは、遠野のワーキングホリデーでは、初めて出会った参加者と農家の緊張感を伴った関係が、それを乗り越えた深い交流に至ることにより、第二の家族とも言えるような仲の良い関係になることを目指しているからです。
そのためには、最低でも3泊から4泊の期間は必要なのです。そこで育んだ交流はワーキングホリデー後も続き、リピーターとなる参加者を増やしています。
そしてこのような交流が、遠野の地域づくりのサポーターづくりを実現しています。
■ワーキングホリデーで何をするのか?
ワーキングホリデーに参加した場合、どこの農家でどのような農作業を手伝うのかは、時期によって変わります。例えばリンゴ農家であれば、春は摘花(花摘み)、人工授粉、その後は摘果(枝を保護するために余分な果実を取る)、葉摘み(果実が日陰にならないように余分な葉を取る)、9月~11月には収穫、選別といった作業を手伝うこととなります。
食事も、基本的に家族と一緒の食卓で取るので、まさに農家の家族としての生活を経験することとなります。
詳しくは以下の受け入れ農家一覧を参照ください。
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受入農家はどんなところ?
受入農家は、参加者を農作業の単なる労働力として捉えているのではなく、交流をしたいと方がほとんどです。また、受入農家は遠野のごく普通の農家さんです。
受入農家によって、年中作業があるところ、期間が限定しているところがあるので、参加者と農家お互いの条件をマッチさせることが必要なのです。その役割を果たしているのが、本NPO山里ネットです。
○受け入れ農家のみなさん(一部紹介)※他にも受入農家はおりますので、お気軽にご相談ください。
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奥寺 栄一さん(遠野市青笹町) |
①募 集:年中
②期 間:3日以上(要相談)
③作業内容:6月~9月 アスパラの作業
7月~8月 ブルーベリー草取り、草刈り、収穫
10月~11月 田んぼ、稲刈り他
年 中 牛と鳥の世話
④参加資格:健康で働く事が好きな方
⑤定 員:4人
⑥宿泊場所:自宅の座敷
※アメニティや着替え等はお持ちください
⑦条 件:報酬無し(食事・宿泊費無料) |
奥寺 晴夫さん(遠野市青笹町) |
①募 集:夏頃から(冬は農作業はなし)
②期 間:1週間~1ヶ月(理想は10日間)(要相談)
③作業内容:畑作業全般
(肥料散布から収穫まで、畑仕事の専門的なことができる)
④参加資格:特になし
⑤定 員:4人まで
⑥宿泊場所:自宅そばの蔵の2階
※アメニティや着替え等はお持ちください
⑦条 件:報酬無し(食事・宿泊費無料)
⑧そ の 他:冬はスノーモービル体験もできます。 |
糠森 隆さん(遠野市松崎町) |
当分の間、受入れはお休みします。 |
○申し込む前にお読みください~注意事項など~
■内 容: 具体的な農作業の内容については、農家との話し合いの中で決めていただきます。
■準 備: 作業着、寝巻き、常備薬、洗面用具など身の回りのものはご持参ください。
その他必要なものもあるため、農家への直接確認が必要です。
健康保険証またはその写しをお忘れなく。
■報 酬: 作業報酬はなし、受け入れ農家にて寝食をともにしていただくことを基本としますが、
例外もあります。ご注意ください。
■心 得: 農作業をやっていただける方を募集していますので、農家の一員として遇します。
■子 供: 小さなお子様連れの参加はご遠慮ください。
■交 流: 仕事の合間の食事や会話など交流をお楽しみください。
■自己責任: 作業の安全には十分注意いたしますが、作業中の怪我や事故については
農家および事務局を責任を負いかねますのでご了承ください
(
国内旅行傷害保険に加入されることをお勧めします)。
■参加申し込みについて(詳細は以下)
具体的な作業や受け入れ可能な日程については、天候や受け入れ農家の諸事情によって変更することがあります。
以下の①~⑬の内容を添えお申込みください。不明な点も事務局まで。
○申し込み方法・実施までの流れ
①上記の文章を必ずお読みください。
また、作業においては、安全に配慮をした提供を各受け入農家さんは心がけておりますが、、
各自安全には配慮の上、自己責任での積極的な作業をしていただくことをご了解の上、お申込みください。
②下記の内容を事務局までメール・ファックスのいずれかでお申し込みください。
不明な点も下記まで問い合わせください。
【必要事項】
1.氏 名、フリガナ
2.性 別
3.生年月日
4.電話番号
5.ファックス番号
6.携帯電話番号
7.郵便番号
8.住所
9.職業
10.ワーキング希望内容
11.希望理由
12.その他特記事項、アレルギー情報など
③その後事務局より返信いたします。
交通手段なども各自手配願います。
④受け入れ実施前に、受け入れ農家と直接連絡をとっていただく場合があります。
⑤いざワーキングホリデー開始
【連絡先】
認定NPO法人 遠野山・里・暮らしネットワーク 担当:浅沼
〒028-0515 岩手県遠野市東舘町6-16 (9時~17時まで)
TEL:0198‐62‐0601 FAX:0198-62-0602 mail::
tourism@tonotv.com
○ワーキングホリデー体験者からの感想
農家体験者 原さん (平成26年1月 山里ネット会報誌の抜粋)==========
自然豊かな遠野で、農家に滞在しながら農作業や田舎の暮らしを体験するのが農村ワーキングホリデーです。滞在に関しては、農家と体験者との間には金銭のやり取りがないため、互いに気を使うことなく交流ができます。そのうえ、都市住民にとって自然は心と体の癒しになるという点がこの取り組みの魅力です。
8月中旬に青笹の奥寺晴夫さんのもとへ訪れた関東在住の原さん。自然や動物が好きで、自然に触れる活動ができる場をインターネットで探していた時に遠野を知ったとのこと。実際にワーキングホリデーを体験してみての感想をお聞きしてきました。
(以下、原さんの感想)
「晴夫さんの家に来てからは早朝からの農作業と観光をしました。 夏は特に、外での作業は時間と気温との闘いですよね。もう、暑かったですよ~。野菜の収穫の仕方にもコツがいることや収穫物がどのような企業や人の元へと届くのかをこの体験を通して学んだことはいい経験となりました。観光では、晴夫さんが重湍渓(ちょうたんけい)という渓流や農耕馬がいる場所へと連れて行ってくれました。農耕馬って、格好がたくましいんですよ。私は動物が大好きで、それを見ることができただけで嬉しかったですね。馬や牛といった動物をこの家の近くで見ることができて、遠野市では動物が地域の人々の生活に密着しているということをあらためて感じました」。
突然のインタビューにもかかわらず、感想を楽しそうに話してくれた原さん。またぜひ遠野へお越しください!
原さんが体験した農作業
①レタスの収穫
②トウモロコシの収穫
③キャベツの収穫
④マルチ剥がし
⑤赤カブの種まき
ブルーベリー農家体験者 高校生・大学生 (平成27年夏 山里ネット会報誌の抜粋)==========
暑くて短い遠野の夏、奥寺栄一さんのお宅にて3人の大学生がワーキングホリデーを体験しました。
夜行バスに乗って早朝6時に遠野に着いたばかりにもかかわらず、朝8時30分からブルーベリーの収穫を開始。青いネットに囲われているブルーベリー畑で汗をかきながら黙々と収穫作業を行っている姿が印象的でした。
なかには畑の中にいるバッタやカエルが苦手で作業に苦戦している学生も見られましたが、「遠野は自然豊かでのんびりしている。関東に住んでいると、なかなかこのような農作業をすることも自然に触れることもないため、新鮮です。」と、笑顔で話してくれました。
収穫作業後はブルーベリーの選定作業を行い、大きさや形がばらばらになっている一粒一粒をサイズごとに区切られてあるふるいにかけながら、汚れや傷を細かくチェックしていました。時間が経つと作業にも慣れたのか、選定作業が手早く行われていました。
自分達が収穫した農産物が消費者の手に渡るまでの過程を経験したことは学生たちにとって貴重なものとなったでしょう。
りんご農家体験者 女性 ==========
ワーキングホリデーの遠野での生活は、本当にゆっくりと時間が流れていったように思います。
受け入れ農家の受入農家さんのご家族の方々には、本当に温かく迎えていただいて、今でも感謝の気持ちでいっぱいです。りんご畑の作業はとても楽しかったです。 たった四泊五日という短い間でしたが、農業のいろいろなお話もしてくれて、とても勉強になりした。
私の場合はあまりにも農業をやりたいという考えが漠然としすぎているので、もう少し自分の農業に対する将来像を、きちんと考えたいと思いました。
たくさんの人の助けをいただいて、無事に遠野でのワーキングホリデーを終えることができました。
本当にありがとうございました。
馬の飼育体験者 男性 ==========
①遠野でのグリーンツーリズム体験
○人との出会い
個性的で面白い人とたくさん出会うことができました。まず、一週間お世話になった馬農家さんは同年代ながらすごい奴だと感じました。こんな生き方してる奴もいるんだと。農作業するときの筋力がすごい。馬ビジネスを本気で実行している行動力がすごい。そして馬に対する愛情がすごい。今までまったく会ったことのないタイプの人間でした。受入先の家のご家族の方々も私のことを自然に迎え入れてくれ、ホームステイ中は親戚の家にいるような感覚でした。
一人一人の方々とゆっくりお話することはできませんでしたが、みなさんが本当に個性的で生き生きとしていました。自分が好きなことや大切だと思うことを日々の生活の中で実践しているのだろうなと思いました。だからみなさん生き生きしているのではないでしょうか。もう少しそれぞれの方々と深く交流できれば、もっと面白かったのだろうと思うと少し残念です。
○農体験
短い期間ながらも色々な体験をさせてもらいました。経験した農作業:刈り取った後の藁を集めて倉庫に積む作業、田んぼの雑草を抜く作業、日々の馬の世話、馬房掃除、草刈、山から木を切り出す作業、じゃがいもほり、など。
正直にいうと農業は大変な仕事でした。今まで机に向かっての仕事でしたので、改めて自分の体力の衰えを痛感しました。今回はたったの一週間の体験でしたが、一生の仕事としてやるのは本当に大変な仕事なのだろうと想像されます。でもやはり美しい自然の中で思いっきり体を動かすのは気持ちいいですし、自分の食べるものを自分の手で収穫する喜びがありました。また、意外だったのが農業はクリエイティブな仕事だということです。
受入先の方は馬を中心にして薪を作ったり、材木を切出したり、米を作ったり、馬の育成をしたりと自分で新しいことを色々と考え実践していました。本人のアイディアと行動力しだいで、新しいことに色々挑戦できるのだと思いました。
○馬体験
受入農家さんの力添えで馬に色々と触れさせてもらえました。はじめは馬のでかさに本気でビビッてました。蹴り飛ばされたら痛そう・・・。1週間の滞在の間に4,5回馬に乗せてもらいました。馬の乗り方も色々と教えてもらいました。馬が駆け足で走ったときなどは、必死になって馬にしがみついてましたが。今では馬が以前よりも遥かに身近な存在になっています。
○遠野の風景
遠野の風景は優しいと感じました。花が咲いていて、小川が流れ、田んぼがある。道端には古びた石塚があり神社がある。長い年月をかけて人と自然とやりくりしながらできあった風景なのだろうと感じました。遠野の前に滞在していた屋久島の風景は神々しいと感じました。人が立ち入ることを許さないような深い森や険しい山。黒潮の流れる海。清冽な美しさがありました。
②グリーンツーリズムを終えて
グリーンツーリズム体験後に自分の生活習慣や考え方がいくつか変わりました(屋久島やネパールでの経験も影響してるかもしれませんが)。
○生活習慣の変化
「食」を大事にするようになりました。できるだけ自分の手で材料を調理して食べるようになりました。そして、なぜか肉を食べることが減り野菜や魚中心の食生活になりました。 また早寝早起きをするようになりました。今まではあまり重視していなかった「食」や「早寝早起き」が実は豊かに生きる上ではとても重要なことなのではないかと考えるようになりました。
○将来の人生設計
これからどのような人生を送っていこうかと考えたとき、『都会に住みながらも農を生活に取り込んだ生活をしたい』と考えるようになりました。今は次のような生活ができたらいいいなぁと思っています。
都会で仕事をする。英語やITに関連した仕事がいい。京都に住めれば理想的。神奈川、仙台、鹿児島、沖縄なども候補地。週末は地域の農家の人と交流したり、自分の畑を耕したりして、土や動物に触れる。自分で収穫した作物または地元の農家の人から直売した作物をを自分で調理して食べる。年に一度は長期の休暇をとり田舎(遠野、屋久島、ネパール、イギリス、など自分が好きなところ)で生活をする。
田舎での生活に憧れながらも、現時点では田舎でよりも都会に生活の基盤をおきたいと考えています。仕事でも人でも都会のほうが色々な変化や刺激をうけるチャンスが多そうだからです。もちろん田舎に住んでいても本人の工夫次第で変化や刺激を生み出せるとは思いますが。20~30代はできるだけ広い世界をみてみたいと思っていて、そうなると都会の方がベターなのではないかと思っています。まだまだ悩み中でどうなるかはわかりませんが。