
今年度2回目となる遠野市上下水道事業審議会が、先週金曜日市役所本庁舎で開かれました。この審議会は有識者や市民から広く意見を聞き、遠野市の水道事業と下水道事業について効率的で効果的な運営を図ることを目的に設置されています。この日の審議会は「第2次遠野市水道ビジョンの見直し」をテーマに行われ、はじめに審議会委員を務める総務省経営・財務マネジメント強化事業アドバイザーの菊池明敏さんから、「上下水道事業の現状と基盤強化及び経営指標等の経営分析について」の説明がありました。菊池さんは、水道事業の全国的な課題である人口減少に伴う減収や施設の老朽化などに触れたうえで、遠野市水道事業の課題の一つして、耐用年数を超えた配水管の修繕や更新を進めているにも関わらず、漏水が減っていないように見受けられる点を指摘しました。その対策として漏水箇所を特定する技術力の保持や、近隣市町村と広域連携したうえでのAIによる水道管の劣化予測といったDXの共同推進などを提案していました。続いて事務局から、遠野市水道事業における将来の事業環境について説明があり、令和8年度から12年度までの第2次遠野市水道ビジョン後期計画期間における施設建設改良の方針案が審議されました。方針案には漏水の調査や修繕をさらに進めること、水道施設のダウンサイジングに向けた統廃合を検討することなどが示されています。出席した委員からは、「高室浄水場への依存度が高いが、導水管や場内設備の老朽化が進んでいるため最優先で修繕や更新を行うべきではないか」といった意見が出されていました。なお次回の審議会は今年度中に開かれ、水道事業の投資財政見通しや水道ビジョンの将来像と目標設定について審議される予定です。