2025年2月6日放送

ニホンジカ捕獲応援隊 育成講習会

野生動物による農作物被害が深刻化する中、きのう市役所本庁舎でニホンジカ捕獲応援隊育成講習会と鳥獣被害対策研修会が開かれました。講習会には農家や狩猟免許所持者などおよそ60人が参加し、初めに市の担当者から市内のニホンジカによる被害の概要と捕獲応援隊の役割・ルールが説明されました。説明によりますと去年、遠野市内で捕獲されたニホンジカの数は5,763頭と前の年に比べて484頭増加しており、岩手県全体の捕獲頭数のうち2割を遠野市が占めています。また市内のニホンジカによる1年間の農作物被害額は、ここ数年1億円規模で推移しています。さらに市内では5年前に初めて確認されたイノシシも増加傾向にあり、昨年度は80頭が捕獲されたほか、宮守町達曽部でも初めて捕獲されました。こうした状況を受けて設置された捕獲応援隊は、直接わなの設置や捕獲などはせず、自らが管理する農地に設置されたわなの見回りをすることで捕獲活動を支援し、被害の低減につなげます。説明のあとは、遠野市鳥獣被害対策実施隊の副隊長で宮守班班長の太田代真人さんがわなの仕組みや設置方法について話し、参加した人たちは真剣な表情で聞いていました。続いて研修会が行われ、岩手県農林水産部農業普及技術課の中森忠義さんが講演し、電気柵の適切な運用方法や中森さんが4年前から実験を進めている立体柵の取り組みを紹介しました。中森さんは野生鳥獣による被害を減らすには捕獲だけでなく、『食料がある』『すみか・寝床がある』『安全で外敵がいない』など動物にとって快適な環境をなくしていく必要があるとも話していました。参加者たちは立体柵の設置コストや設置場所などについて質問をしながら、鳥獣被害対策への理解を深めていました。

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