2024年3月11日放送

3.11を語り継ぐ会&復興教育授業

市内の小中学校では、東日本大震災を学ぶ集会や授業が行われました。はじめに、遠野中学校で開かれた「3.11を語り継ぐ会」の様子をお伝えします。「3.11を語り継ぐ会」は、東日本大震災で何があったのかを知り、今後自分たちがどのように生きていくのか考えるきっかけにしようと、遠野中学校が開きました。きょうは、全校生徒が体育館に集まるなか、元小学校教員で、震災発生後、陸前高田市教育委員会で教育現場の復興に携わった熊谷健司さんが「今、伝えたいこと」と題して講話しました。熊谷さんは、陸前高田市を襲った津波の写真をみせながら、震災が発生した直前から翌日の町の様子や学校では、どのようにして児童生徒が避難したのか伝えました。また、避難所となった学校が再開されるまで、子どもの安否確認や学ぶ場所を確保するなど多くのことを準備し対応をしてきたこと、再開されてからは、廊下で体育の授業をした事や校庭に建てられた仮設住宅の限られたスペースで運動会を開いたりしたことなど当時の様子を語りました。終わりに熊谷さんは生徒たちに向けて「失ってはじめて気が付く大切なことを失う前に気づくことが大事」と伝えていました。生徒たちは、熊谷さんの言葉ひとつひとつに静かに耳を傾け、13年前に実際に起こった出来事を心に刻み込んだ様子でした。続いては、宮守小学校で行われた復興教育授業の様子です。この授業は、震災後に生まれた3年生から6年生までの児童たちに発災直後の状況や被災地が復興していく様子などを学んでもらおうと実施されました。この日は、講師としておととしまで陸前高田市の高田小学校で校長を務め、現在は陸前高田市教育委員会学校教育相談員の金野美惠子さんが招かれました。金野さんは講演の中で、震災による津波で両親を失い、実家が流されるという辛い経験をしたことや、当時の子どもたちがどのように避難生活を送っていたのかについて話しました。また、金野さんは、全国からたくさんの支援が寄せられ復興につながったことや、自然災害に対して今後どのように備えるべきかについても伝えていました。このほか、震災直後遠野市がボランティアや自衛隊の活動拠点になったことなども紹介されました。児童たちは真剣な表情で金野さんの話に耳を傾け、東日本大震災について理解を深めた様子でした。

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