2021年3月19日放送

遠野文化研究センター10周年を迎えて

遠野の文化資源を活用したまちづくりに取り組んでいる遠野文化研究センターが、来月で設立10周年を迎えます。それを記念したイベントがきのう(18日・木曜日)市民センターで行われました。遠野文化研究センターは、10年前の平成23年4月1日に設立され、「遠野物語」をはじめとする遠野の文化資源を調査研究し、それらを活用した市民講座や遠野文化フォーラムを開催するなど、文化面でのまちづくりに取り組んでいます。そうした中、きのうは、遠野文化研究センターの設立10周年と、遠野物語発刊110周年を記念して現在、来年3月の刊行を目指して編集作業が進められている、遠野物語の原本となる「『遠野物語』毛筆初稿本三部作」をテーマとした対談が行われました。対談では、遠野文化研究センターの赤坂憲雄所長と三浦佑之顧問の二人が、『遠野物語』毛筆初稿本三部作を刊行するにあたり、その意義と特徴などについて解説しました。『遠野物語』毛筆初稿本三部作は、柳田國男が遠野物語を刊行するにあたり、佐々木喜善から遠野の伝承を聞いて記したメモをもとに、和紙に毛筆で書いた原稿「初稿本」と、初稿本をもとにペンで原稿用紙に書かれた「再稿本」。そして、刊行するためにゲラに朱書きを入れた「校正本」の3つの原稿で構成されています。対談で赤坂所長と三浦顧問の二人は、柳田國男没後60年の節目の年となる来年3月、新たに写真と原稿で収録された三部作が出版された際、今後、遠野物語がどうあるべきかについて思いを述べていました。また、きのうは、遠野こだわりの「語り部」認定証交付式も行われました。遠野文化研究センターでは、遠野物語発刊100周年の年から市民を対象に、「語り部1000人プロジェクト」と銘打って、「昔話」「歴史」「郷土芸能」など5つのジャンルで語り部を認定しています。今年度は、新たに49人が遠野こだわりの「語り部」として認定され、これまでの認定者数が1,034人となり、目標の1,000人を達成したということです。きのうは、イベントに参加した5人がそれぞれ認定証を受け取りました。また、交付式では、長年、昔話教室を主宰し、語り部の育成に取り組んできた東穀町に住む佐藤誠輔さんが、1,000人目となる特別サポーターとして認定されたことの報告がありました。ほかにもイベントでは、遠野文化研究センターがこれまで歩んできた10年を振り返るスライドショーや、これからの活動に向けた説明も行われました。参加した人たちは、遠野文化研究センターの今までの取り組みを振り返りながら、今後の文化面における新たなまちづくりへの取り組みに期待を寄せていた様子でした。なお、遠野文化研究センターは、来年度、遠野市教育文化振興財団に移管され、文化や芸術振興、グローバル化による人づくりとまちづくりに務めていくということです。

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