2019年11月13日放送

あすチャレ!Academy

共生社会の実現に向けて第一歩を踏み出すセミナー、あすチャレ!アカデミーがおととい(11日・月曜日)あえりあ遠野で開かれました。遠野市では、ことし7月にパラリンピック競技5人制サッカーブラジル代表チームが事前合宿のため遠野を訪れたことで、ともに暮らす共生社会を目指そうという機運が高まってきています。そうした中、このセミナーは、障がい当事者のリアルを聞き、学び、一緒に考えることで共生社会の実現に向けての第一歩を踏み出してもらおうとことし6月に続いて、日本財団パラリンピックサポートセンターと遠野市が開きました。この日は、民生児童委員や商工会女性部をはじめとする市民、40人ほど参加する中、およそ30年前の1988年ソウルパラリンピック陸上競技「スラローム」の金メダリスト、永尾由美さんが講師を務めました。幼少期のケガにより脊髄を損傷した永尾さんは、車いす利用者としての日常生活からパラアスリートとしての視点まで、永尾さんだからこそ話せる障がい者のリアルを語りました。その中で永尾さんは、共生社会を実現させるために「配慮はするけど遠慮はしない」という一つのキーワードを出し、障がい者に対する「配慮」と「遠慮」の違いについて伝えました。また、セミナーでは白杖体験も行われ、参加者たちは、目の不自由な人を安全に歩けるように誘導する難しさや誘導するために思いやりを持って声を掛けることの大切さを学んでいました。この日のセミナーで参加者たちは、障がいのある人も、ない人も思いやり支え合い、違いを受け入れていくことが共生社会を実現する第一歩になる、と実感した様子でした。また、この日は、小友と青笹の2つの小学校で、児童たちに共生社会の実現に向けた基本的な考え方を身に付けてもらおうと、あすチャレ!ジュニアアカデミーも開かれています。小友小学校では、全校児童31人がじゃんけんと伝言ゲームを通じて、視覚や聴覚障がい者に物事を伝えることの方法などを学んだということです。また、青笹小学校では、5年生20人が講師の永尾さんの話とグループワークを通じて、障がいのある人、ない人がともに暮らしていくために何をするべきか考えを深めていたということです。なお、市では、今後も障がい当事者を交えながら、誰もが明るく楽しく暮らせる共生社会を目指した啓発活動を展開していくということです。

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