2019年8月28日放送

世界的建築家 安藤忠雄氏講演会

世界的建築家・安藤忠雄さんによる講演会が、昨夜(27日・火曜日)あえりあ遠野で開かれました。安藤忠雄さんは「子どもたちの教育には本が大切。東北復興のシンボルは子どもたちの未来である」と提唱していて、「遠野物語」や、遠野文化研究センターの「三陸文化復興プロジェクト」に高い関心をもっており、今回の講演が、遠野で復興のシンボルを考えるきっかけになればと、初めて遠野を訪れました。16年前、阪神淡路大震災を経験した安藤さんは、被災した子どもたちの成長を見守り、教育を受け、学ぶ意欲を支えていきたいと、東日本大震災直後に「桃・柿育英会」を立ち上げ、親と死に別れた子どもや両親のいない子どもの支援活動に尽力しています。市役所本庁舎の展望ロビーでは、本田市長や菊池教育長などと懇談しながら、安藤さんは、子どもたちの教育の大切さについて話し「学力の順位が高いところから自分のまちにあいそうな事を見つけていけばいい」など、アドバイスを送っていました。懇談のあと、安藤さんは、一日市通りや駅前通り、旧三田屋などを視察しました。このうち、旧三田屋では、神楽を鑑賞した後、市の職員などが建物の概要について説明し、どのように活用していくか安藤さんの意見を聞きながら参考にしていた様子でした。夜からは、あえりあ遠野で講演会が開かれ、県内外からおよそ600人が集まりました。安藤さんは、これまで手がけてきた建築物について紹介しながら、震災からの復興と子どもたちの未来のために「私たち一人一人が何ができるかを考えていかないといけない」と話していました。また、安藤さんからは、本田市長に『東北には民家がたくさんあり、遠野物語は、大きな「心のふるさと」のようなものでもある。民家の中を図書館にしてはどうか』と提案があったということです。本田市長は、「こども図書館というプロジェクトをすくすく育てたいなという思いで講演を聞いていた。読書を通じて、しっかりとした復興が見いだせるのではないか」と、実現に向け、思いをはせていました。

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