2019年7月2日放送

遠野で初開催 第65回岩手県母親大会

遠野では初となる岩手県母親大会が、おととい(30日・日曜日)市民センターやあえりあ遠野などを会場に開催されました。ことしで65回目を迎えるこの大会は、日常生活のさまざまな問題や教育・平和について、母親の目線で話し合い連携を深めることを目的に県内持ちまわりで開催されています。おとといは、午前中に子どもと教育・くらしと権利などテーマ別に分かれた分科会、午後からは全体会がそれぞれ開かれました。そうした中、市立図書館を会場に開かれた分科会では、子どもたちに伝えたい読書の魅力を語り合おうと、子どもが興味を持つ本の読み聞かせ方や、子どもたちを対象にした県内各地域の読書の取り組みなどを、参加した人たちで共有していました。また、開催地企画として開かれた昔ながらの味を学ぶ郷土料理づくり体験では、附馬牛町に住む岩手県食の匠の菊池イヨ子さんが、遠野の郷土料理けいらんを参加した人たちと作り、絶妙なゆで加減や昔ながらの母親の味を伝えていました。このあと、去年芥川賞を受賞したあの方が遠野で記念講演を行いました。午後からの全体会では「おらおらでひとりいぐも」で去年、芥川賞を受賞した上郷町出身の作家若竹千佐子さんによる記念講演が行われました。若竹さんは、「遠野のみなさんの前でこうやって話すのはなんだか恥ずかしい」とあいさつしながらも、作家を目指したきっかけや自分の性格などをおもしろおかしく話し、埋め尽くされた会場の人たちをにぎわしていました。また、「おらはおらだあきらめねで主張するも」と、自身の作品を思わせる演題の中では、こうしなければならないこれが当たり前と錯覚してしまう世の中で、しっかりと自分の考えを伝えられる環境づくりや、自分自身が考え伝えることが大事なのではと、1人の女性・母親の目線として力強い自身の考えを述べていました。講演では、若竹さんが過ごした遠野の子ども時代の思い出話しや、遠野弁を交えながら話す親しみやすい喋り口調もあり、会場は終始笑顔が絶えない暖かい雰囲気に包まれていました。

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