2019年5月2日放送

イタリア・サレルノからの親子市民と交流深める

姉妹都市のイタリア・サレルノ市出身の親子が、先月、遠野に2週間滞在しました。遠野では、どのような時間を過ごしたのでしょうか、取材しました。4月14日(日曜日)、遠野駅に降り立つ親子の姿と、出迎える人たちの姿がありました。アンナラウラ・ヴァリトゥッティさんと、息子のフランチェスコ・マリア・ヌカトラさんです。アンナラウラさんの出身地であるイタリア・サレルノ市と遠野市は、映画「遠野物語」が、イタリア・サレルノ国際映画祭でグランプリを受賞したことがきっかけで、35年前の昭和59年8月に姉妹都市となりました。以前から日本に興味があり、大学では日本語を学んでいたアンナラウラさんは、これまで幾度となく遠野を訪れていて、5年前からは、サレルノと遠野をつなぐ「親善大使」として活躍しています。息子のフランチェスコさんは、2年ほど前からイタリアの日本語補修学校に通っているため、日本語も話すことができます。初めて遠野を訪れた2年前には、南部氏遠野入部行列にも参加しました。今回、遠野を訪れた目的は「日本語を学んでいるフランチェスコさんに、日本の文化を体験してもらうこと」。そのため、滞在する2週間、遠野小学校に体験入学をすることになっています。4月15日(月曜日)、ホストファミリーが準備してくれたランドセルを背負って、初めての登校です。とても緊張していたフランチェスコさんでしたが、ゲームでクラスメイトと交流を深めるうちに、少しずつ笑顔が見られるようになってきました。続いて、国語の授業では、あいさつの練習や、ひらがなを読んだり書いたりしながら、すっかりクラスに溶け込んでいました。4月18日(木曜日)は、本田市長へのあいさつに、とぴあ庁舎を訪れました。サッカーが大好きだというフランチェスコさんに、本田市長は「遠野高校に入学するのを待っています」と、サッカー応援で使われるタオルなどをプレゼントしていました。遠野に桜の便りが届き始めた4月23日(火曜日)、アンナラウラさんは、遠野市教育文化振興財団の事務所を訪れ、ことし11月頃に予定されている、姉妹都市35周年を記念した市民ツアーの旅行プラン案を考えていました。小学校生活1週間が過ぎたこの日、1年2組の給食の時間では、すっかり慣れた様子のフランチェスコさんの姿がありました。最初は持てなかったというお箸も、一生懸命練習して持てるようになっていました。放課後は、遠野児童館で、大好きなサッカーの時間です。実は、この日、フランチェスコさんには、とても楽しみにしていることがありました。お父さんのジョバンニ・ヌカトラさんと、叔父のバレリオ・ロリトさんが、この日から遠野に滞在するのです。お父さんたちの姿を目にすると、すぐさま駆けより、久しぶりの再会を喜んでいました。4月26日(金曜日)、遠野小学校への登校最終日、お別れを惜しむかのように、雨が、ほぼ満開となった桜をぬらします。1年2組では、お別れ会が開かれました。思い出を深めようとゲームで盛り上がったあと、お手紙の交換をしました。「お友達はたくさんできた?」と聞いてみると、笑顔でうなずいてくれたフランチェスコさん。「帰りたくない」と話すほど、フランチェスコさんにとって、遠野での生活は、充実した日々となった様子でした。姉妹都市締結から35周年の節目の年に、フランチェスコさんと遠野小学校の児童たちとの交流は、サレルノと遠野の絆を結ぶ新たな架け橋となりました。親の代から子どもの代へ、そして、さらに次の世代へ、今後も、サレルノと遠野の交流のバトンが受け継がれていくことでしょう。

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