2018年12月19日放送

国有林遠野開庁130周年講演会

岩手南部森林管理署遠野支署の開庁130周年を記念した講演会、「遠野における森林の変遷」がきのう(18日、火曜日)、市立図書館で開かれました。遠野市と花巻市の一部に位置するおよそ3万6千ヘクタールの国有林の管理、経営を行っている東舘町にある岩手南部森林管理署遠野支署は、ことし10月4日に開庁130周年を迎えました。きのうの講演会は、開庁130周年を記念するとともに、林野庁森林技術総合研修所で教務指導官を務める沖義裕さんが執筆した論文、「遠野における森林の変遷」が遠野文化研究センターの今年度の佐々木喜善賞を受賞したことから、講演を通じて、遠野地方における近現代の森林利用の歴史を広く市民に紹介しようと、遠野文化研究センターと岩手南部森林管理署遠野支署が共催して開きました。講演では、林業関係者や市民などおよそ90人が集まる中、講師を務めた沖さんが明治から大正、昭和、そして現在までの時代ごとに変化し続けている遠野の森林利用について遠野物語の記述を交えながら説明しました。また、講演の中で当時の木材の運搬方法として、昭和10年から23年ごろまでは、附馬牛町大出から材木町まで最長となるおよそ29キロメートルに渡って森林鉄道が運行されていたこと。昭和15年には、木炭の製造が岩手県の生産量で最も多いおよそ18万6千トンとなり、その中でも遠野地方は、木炭王国と呼ばれるほど、林業が盛んに行われていたことなども紹介していました。終わりに沖さんは、時代に応じて変化し続けてきた森林利用のこれからの思いも語っていました。集まった人たちは、講演を通じて、当時の遠野地方の森林利用の歴史を知る貴重な機会となった様子でした。

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