2018年9月10日放送

遠野産ホップの振興と新たなまちづくりに関する説明会

「遠野ホップの振興と新たなまちづくり」に関する説明会が先週金曜日(7日)、あえりあ遠野で開かれました。この説明会は、地元ホップ農家や遠野に移り住んでいる起業家、ホップ契約栽培で55年の歴史を持つキリンなどが、平成27年度から取り組んでいる「ビールの里」構想について理解を深めてもらおうと遠野市が開きました。現在、国内のホップ生産量は、ビールの消費の低迷や農家の高齢化で減少が続き、遠野市では、生産を担う農家の数がピーク時の昭和49年度の239戸から34戸にまで減っています。そうした中、新規就農者によるホップ参入の状況は、ここ3年間で6人の新規参入者が高齢化により廃業したホップ農家からほ場を継承するなど、栽培面積の減少に歯止めが掛かってきています。「ビールの里」構想は、農業を通じた地域活性化を実現するため、ホップの特徴を生かしたビールの製造、販売や、醸造家を育成するなどのブルワリーラボ事業を検討し、遠野市を日本のビール文化、産業の魅力を発信するまちへと発展させようとする計画です。この日の説明会では、ホップ農家や市民などおよそ60人が集まる中、初めに市の担当者が遠野市のホップ栽培の現状を説明した後、構想の企画運営を全体統括する遠野醸造の田村淳一さんが現状の成果や展望を話しました。続いて、構想実現へ向けての核となるべく、ことし2月、青笹町に設立された新会社、BEER EXPERIENCEの吉田敦史さんが、起業の経緯と事業構想を発表しました。発表の中で吉田さんは、BEER EXPERIENCEが取り組む、「日本産ホップ生産の拡大と高度化」、「遠野パドロン生産の拡大と高収益化」、「ビアツーリズム事業」の3つの事業について説明した後、BEER EXPERIENCEと遠野市が共に目指す未来像についても語っていました。他にもこの日は、キリンの担当者による遠野市とビール事業の関係や地域貢献についての説明があり、集まった人たちは、地域活性化のため取り組まれる「ビールの里」構想への理解を深めた様子でした。

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