2018年4月11日放送

高校再編を考える市町村長懇談会

高校再編を考える市町村長懇談会が、きのう(10日・火曜日)、盛岡市の岩手県議会棟で開かれました。この懇談会は、人口減少社会における高校教育の望ましい姿について情報共有を図りながら、県内市町村の連携を推進することを目的に、本田市長をはじめとする県内5つの市と町の首長が呼び掛け人となり初めて開催されました。きのうは、呼びかけに応じた県内28市町村の首長や代理人、岩手県議41人が出席し、各地域の特徴を生かした高校教育の確立や今後の再編計画のあり方について考えました。懇談会では、はじめに県内5市町の呼び掛け人がそれぞれ挨拶した後、高校再編計画の概要などについて経過が説明されました。それによりますと県教育委員会がおととし3月に策定した高校再編計画では、平成32年度までに遠野、宮古、久慈地区の3校、平成37年度までに11校と最大14校の統廃合を行い、現在63校ある県立高校を49校とする計画が見込まれているということです。県内の市町村の動向では、入学時の制服補助や通学費補助といった高校支援策の状況や遠野市民の署名、請願活動を受けて、「県立高等学校統合に係る新たな判断基準を求める請願」が岩手県議会で採択されました。その後は、県議会から先月、国に対し、「地方の実情に応じた教育環境を支えるための新たな教職員定数改善計画の早期策定と財政措置を求める意見書」が提出されたことなど、これまでの取り組みが説明されていました。また、懇談会では、早稲田大学名誉教授で総務省の過疎問題懇談会座長を務める宮口?廸さんが講師に招かれ、「過疎地域の高校のあり方について」と題し講演が行われました。宮口さんは、日本各地の過疎地域にある小規模校の実践事例を紹介しながら、人口減少社会が進む中、今、何が求められているのか説明していました。また、宮口さんは、輝かしい成果を残している緑峰高校のホップ和紙の取り組みにも触れながら、県と市町村が一体となって小規模校の存在価値を見直す県立高校の岩手モデルとなるような議論を深めてほしいと話していました。出席した首長や県議などは宮口さんの講演を通じて、各地域の特徴を生かした高校教育の確立や今後の高校再編のあり方について考える機会となった様子でした。懇談会の終わりに呼び掛け人を代表して本田市長は、「市町村と県議がスクラムを組みながら国を動かす方向に持っていくということが岩手の一つのモデルを生み出す力になります。次世代を担う子どもたちが郷土愛に基づく、地域づくりに参加できるような展望を見出していきたい。」と訴えていました。なお、懇談会を開催した5つの市と町は、今後、出席者にアンケート調査を行い活動組織のあり方を検討し、岩手県教育委員会への提言を目指すということです。

Copyright(C) TonoCableTelevision. All rights reserved.