2017年12月27日放送

月イチリポート「わさび栽培にこだわって」

月イチリポートです。今月は、わさび栽培にこだわって36年、ことし全国大会で活躍したわさび生産者の男性とその家族を紹介します。東北一の生産量を誇る遠野のわさび。ここ、宮守町達曽部の湧水集落では、豊富な湧き水を利用して100年以上も前からわさび栽培が行われていたといいます。この集落で生まれ育った福地孝市さんは、市内に23軒あるわさび生産者の一人です。ことし、全国わさび生産者大会」が遠野市で開催され、福地さんの育てたわさびが、根わさびの根茎の部」で、160点の応募の中から第3位となる岩手県知事賞を受賞しました。大会について福地さんがわさび栽培を始めたのは、昭和56年。その前は、稲作をやっていたということですが、標高が高く土地が稲作に適していなかったことから、わさび栽培に取り組んでいた先輩たちをまねて始めたということです。福地さんの作業は、主に、苗の植え付けや収穫後の田んぼをきれいに掃除すること、収穫は、妻の千津子さんが行っています。千津子さんわさびは、水がきれいなこと、冷涼な気候であることなど、限られた地域でしか栽培することができません。環境に恵まれていても、栽培を始めた頃は、失敗も多く、諦めそうになったこともあったという福地さんですが、およそ35年、ハウス2棟から始めたわさび田は、現在、25棟・およそ45アールまで拡大しました。遠野でのわさび栽培は、冬の厳しい寒さを克服するためビニールハウスを利用して行われます。わさびは、年中収穫できるため、旬の時期は通年とされていますが、1年の中でも、辛みを楽しみたい人には、葉や茎の成長がとまり実がぎゅっと引き締まる寒いこの時期がおすすめ。福地さんは、東京市場や産直のほか、個人からの注文を受けてわさびを出荷していますが、年末にかけて、正月用にわさびを求める人も増えるということです。福地さんのこれからの目標は、せっかく作ったわさび田を無くさないように守っていくこと。そして、孫の幹太君にも期待を寄せています。高校2年生の幹太君は、将来、祖父・福地さんと同じ、わさび経営者を目指しています。小さい頃から見てきた祖父のわさび栽培にかける情熱に尊敬のまなざしを向けています。失敗しても諦めず、わさび栽培に情熱を注いできた福地さんと、収穫の楽しみを話してくれた千津子さんと、魅力ある経営者を目指して挑戦していこうとする幹太君の物語は、これからも続きます。

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