2017年11月20日放送

ねっと・ゆりかご開設10周年記念式典フォーラム

遠野市助産院ねっと・ゆりかご」がことし12月で開設10周年を迎えるのを前に、先週土曜日(18日)あえりあ遠野で記念式典とフォーラムが開かれました。ねっと・ゆりかご」は、市内でお産できる医療機関がないことから、遠距離通院している妊婦や家族の不安の解消、負担の軽減、産後ケアに至るまでのサポートをしようと、平成19年12月に開設されました。先週土曜日は、あえりあ遠野を会場に、県内の医療関係者や消防関係者、福祉の里の職員などおよそ260人が集まるなか、オープニングセレモニーでは、遠野少年少女合唱隊による合唱が披露されました。このなかで、子どもたちは、ねっと・ゆりかご」の10周年を記念するバースデーソングを歌い、同じく10歳を迎えた子どもたちが、バースデーケーキのローソクの火に息を吹きかけるという演出で、10周年に華を添えていました。記念式典では、はじめに、本田市長がねっと・ゆりかご」の立ち上げから協力してくれた医師などに感謝の言葉を伝えました。そして、これからの取り組みとして、産前産後を含め、しっかりとケアできるような『オール岩手』の仕組みを遠野から発信していきたい」と、今後の展望を話していました。このあと、ねっと・ゆりかご」の開設や運営に多大な尽力をした産婦人科医師たちに、本田市長から遠野産の木材で作られた時計付きの特別感謝状が贈られました。このほかにも、ねっと・ゆりかご」の運営に協力してくれた6人の医師と1団体が表彰を受けました。受賞者代表のあいさつでは、盛岡赤十字病院の松田壯正院長が表彰に対する感謝の気持ちを述べ、これからも、充実し、より役立つ助産院になると確信しています」と話していました。記念式典のあと、引き続き同じ会場では、フォーラムが開かれました。特別講演では、ねっと・ゆりかご」の開設時から監督医として尽力してきた岩手県立大船渡病院の小笠原敏浩副院長が、これまでの歩みなどについて話しました。また、山梨県から、健康科学大学産前産後ケアセンターママの里」の榊原まゆみセンター長が招かれ、特別講演をしました。産前産後ケアセンターママの里」は、山梨県と県内市町村が連携し、産後間もない疲労や不安を抱える母子に宿泊型ケアを提供している施設です。榊原センター長は、利用者が施設をどのように利用しているか、また、県と市町村が一つになって取り組んでいる産後ケア事業について詳しく紹介していました。講演を聞いた人たちは、母子を取り巻く環境についてより良い方向に進むよう考えを深めながら、県と市町村が一体となっている山梨県の取り組みに刺激を受けていた様子でした。最後に、遠野と岩手の周産期医療の未来がより充実するよう祈念して、ねっと・ゆりかご」の助産師、菊池幸枝さんと昆野幸恵さんが、遠野市の提言書を読み上げました。提言されたあと、会場からは、賛同する拍手が起こっていました。健康福祉の里の菊池永菜健康福祉部長は、この日をきっかけに、『オール岩手』として県内全域でこの機運を盛り上げていきたい」と話し、フォーラムを締めくくっていました。

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