2017年8月21日放送

遠野文化フォーラム

きのう(20日・日曜日)ときょう(21日・月曜日)の2日間あえりあ遠野で遠野文化フォーラムが開かれ、遠野市と国立台湾大学図書館の文化交流協定書の締結式などが行われました。きのうの締結式には国立台湾大学図書館の陳光華館長や本田市長などが出席しました。この協定は、台湾人類学の先駆者、東舘町出身の伊能嘉矩が集めた資料が国立台湾大学に収められていることからさらなる文化交流を図ることを目的に伊能嘉矩生誕150年にあたることし、締結されることとなりました。協定書には職員および研究者の交流や講演会・シンポジウムの実施のほか学術上の情報、刊行物および資料の交換などが盛り込まれています。本田市長は「この協定をひとつのきっかけとして、遠野ならではの歴史や文化を大切にしながらさらなる地域振興・地域づくりに取り組んでいきたい」と述べていました。続いて、陳光華館長が「今後、日本と台湾両国の方々に伊能嘉矩の功績を再認識してもらいたい」と述べ、遠野市との文化交流に期待を寄せている様子でした。この後、台湾の歴史研究機関・国史館の呉密察館長による「伊能嘉矩と台湾研究」と題した記念講演が行われました。このほか、平埔族に関する記録について伊能嘉矩が調査したもの以外はほとんど残っていないため貴重な資料となっていることなどが説明され出席した人たちは、伊能嘉矩の功績について改めて理解を深めている様子でした。また、合わせて遠野文化賞や佐々木喜善賞の表彰のほか遠野遺産の認定書の交付なども行われました。遠野文化賞とは遠野の豊かな文化資源を発掘・調査研究・伝承または活用し文化の振興に寄与した個人や団体を表彰するもので、「遠野昔話語り部の会」が受賞しました。「遠野昔話語り部の会」はとおの物語の館やあえりあ遠野での定期的な活動のほか昔話教室の講師などを務め後継者の育成にも力を注いでいることなどが評価されました。佐々木喜善賞は遠野に関する自由な表現作品を表彰するもので、山梨県の都築隆広さんと長野県の十凪高志さんによる小説イラスト「長者屋敷の寝られぬ座敷」が受賞しました。この作品はザシキワラシやカッパなどをモチーフにした魅力あるキャラクター作りと遠野の不思議さが見事に写しだされていることが評価されました。また、今回特別に佐々木喜善賞に佳作が設けられ、奥州市の辻村博夫さんと遠野市の立花紘さんが表彰されました。続いて、新たに遠野遺産に認定された小友町の山谷獅子踊りと遠野の昔話や歴史などを語り継ぐ遠野こだわりの「語り部」41人に認定書が交付されました。今回の認定により遠野遺産は150件、遠野こだわりの「語り部」は841人となりました。そして、きのう最後に行われたシンポジウムでは、遠野文化研究センター顧問の三浦佑之さんや宗教民俗学者の山田仁史さんなどが日本と台湾の神話や伝説などについて語り合いました。会場にはおよそ200人が訪れ、遠野と台湾の文化について知識を広げている様子でした。なお、2日目のきょう(21日・月曜日)は台湾と遠野の文化について語るトークライブなどが行われおよそ120人が訪れたということです。

Copyright(C) TonoCableTelevision. All rights reserved.