2017年7月28日放送

遠野産の藍にこだわって・・・

月イチリポートです。今月は、遠野で栽培した藍にこだわった藍染めに取り組んでいる女性を紹介します。深い藍色や淡い水色。色や模様によってさまざまな表情を見せる藍染め。この藍染めに取り組んでいるのは、新町に住む多田みえ子さんです。多田さんは、6年前に仙台の展示会で草木染めの作品に出合ったのをきっかけに、藍や梅など天然の染料を使う草木染めに興味を持ったと言います。その後、仙台の教室に通って藍染めを習い、現在は自宅や伝承園の染工房で藍染めの作業をしています。多田さんが藍染めの中でも特に力を入れているのが、遠野で育てた藍を使った生葉染めです。藍染めは、「すくも」と呼ばれる乾燥させた葉を使うのが一般的ですが、多田さんは生葉を使用します。遠野の土と水を使って育てた葉を遠野の人の手で染める、そんな遠野産の染め物を作りたいと多田さんは生葉を使うことにこだわっています。そのために必要な藍を育てているのは夫の裕一さん。裕一さんは、独学で藍の育て方を研究し、生葉染めに取り組む妻・みえ子さんに協力しています。寒い遠野では藍を育てるのは難しいと言われていますが、裕一さんは、妻・みえ子さんを支えようと現在は、およそ2アールの畑で、2000株ほどの藍を育てています。涼しげな水色に染まる生葉染め。藍の生葉は保存をするのが難しいため、生葉染めは新鮮な葉が収穫できる今の時期限定の染色です。多田さんは、遠野産の藍を使った生葉染めに遠野ブルーと名付けました。多田さんは、生葉染めの「遠野ブルー」や藍染めの楽しさをより多くの人に知ってもらいたいと、去年から伝承園で藍染めの体験会を開いています。先週月曜日(17日)に開かれた体験会には、藍染めに興味があるという市民が集まりました。生葉染めでは、藍の生葉と水をミキサーにかけて布でこして染液を作ります。その染液に30分ほど布を浸すと美しい遠野ブルーのショールが出来上がりました。まだまだ知らない人が多いという生葉染め。「体験会をきっかけに興味を持ってもらえれば」と多田さんは話します。遠野の土と水で育てた遠野の色「遠野ブルー」多田さんはこれからも遠野ブルーの魅力、そして藍染めの楽しさを発信していきます。

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