2017年3月13日放送

畑わさびで遠野と沿岸地域を元気に

東日本大震災で被災したものの、遠野の畑わさびを通じて一緒に元気になっていこうと頑張っている沿岸の企業を取材しました。遠野などの畑わさびの加工を行っているのは、釜石市甲子町に工場を構えているカネ弥です。震災前までカネ弥は、大槌町に工場がありました。しかし、東日本大震災で工場は津波に流されました。一度、個人商店を廃業しましたが、取引業者などから「頑張れ」「また一緒に仕事をしよう」などと励ましの声を受け、震災から1年後、会社を立ち上げました。カネ弥は、主に畑わさびを扱い、選別、洗浄、殺菌、凍結と製品にするまでの一次加工を行っています。震災が発生するまでは、主に岩泉町の畑わさびを扱っていたカネ弥でしたが、会社を立ち上げてからは縁あって遠野の畑わさびも扱うようになりました。畑わさびは、宮守のほかに附馬牛町や青笹町、綾織待ちでも作られていて、遠野の畑わさびのほとんどがカネ弥に送られているということです。カネ弥の社長を務めているのは、カネ弥の金崎公威さんです。28歳と若い金崎社長ですが、およそ20人を雇用し父親から引き継いだ仕事を一生懸命頑張っています。社員の一人、鈴木里佳さんは、遠野に住んでいます。畑わさびの出荷が最盛期の6月から10月ごろまでは、上郷町の工場で勤務をし、それ以外は、釜石の工場に通っています。去年8月の台風10号で県内で最も出荷量が多い岩泉町は大変な被害を受けました。カネ弥に届く畑わさびの6割から7割は岩泉町からというだけに金崎社長は、岩泉以外からも種から苗に育てしっかりと供給できる場所として遠野市内で探しているということです。遠野からカネ弥に出荷されるのは、現在のところ1割に満たないということですが、遠野市内での畑わさびの栽培が増えてきていることやカネ弥自身も遠野でおよそ90a栽培をしていることから、わさびによって釜石と遠野の繋がりがさらに強まり、また、それぞれの元気に結びついていくことが期待されます。

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