2017年2月8日放送

水損図書レスキュー実技講習会

台風10号の影響で水損した図書の修復を行う水損図書レスキュー実技講習会がきのう(7日・火曜日)市立図書館で開かれました。この講習会は、水損した図書の処置方法を学びながら修復することで今後起こりうる自然災害に備え、資料救出活動を迅速に行うことができる人材育成の場として先月から今月にかけて4回開かれます。2回目となったきのうの講習会には、遠野市民のほか、盛岡市・山形県などから図書館・博物館関係の職員およそ40人が参加しました。きのうは初めに、遠野文化研究センターの職員から被災した経緯と処置方法の説明がありました。土淵町の遠野みらい創りカレッジ1階の資料室には遠野市立図書館所蔵の貴重図書を収蔵していましたが、去年8月に発生した台風10号の影響で床上およそ40cmが浸水し、収蔵図書のうち和本教科書などおよそ2500冊が水損しました。これらの図書は、台風後の高温・高湿度によるカビ発生を防ぐため、岩手県立博物館や陸前高田市立博物館などに移送し冷凍庫で保管をしていたということです。きのうは、解凍された図書のぬれているページにキッチンペーパーを巻いた新聞紙をはさんだあと全体を新聞紙で包み、座布団圧縮袋に入れてパッキングすることで水分を取り除くスクウェルチ・パッキング法を用いて作業が進められました。この方法は習熟が容易で、東日本大震災の際にボランティアと一緒に大槌町立図書館の被災資料を救った経緯があるということです。参加した人たちは、互いに教え合うことで交流を深めながら、一冊ずつ丁寧に作業していました。この講習会は、来週と再来週の火曜日にも開かれる予定ということです。

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