2015年12月16日放送

地域おこし協力隊 藪内慎也さん

遠野では初めてとなる地域おこし協力隊として、ことし4月から遠野に移住し、地域おこしに汗を流している男性がいます。地域おこし協力隊の活動について取材しました。「地域おこし協力隊」として活動をしている、藪内慎也さん・36歳。奈良県出身の藪内さんは、中学校の教員や、家具職人の経歴を持ち、青年海外協力隊員としてジャマイカでの木工指導のほか、震災後は、釜石などで復興支援活動を行ってきました。藪内さんは、「独立して農業をやりたい」という思いから、遠野で活動することを決意し、移住。地域おこし協力隊の農業活性化担当として、農業を中心とした遠野のまちおこしに力を入れて取り組んでいます。地域おこし協力隊とは、総務省が平成22年度から進めているプロジェクトで、都市部の人が人口減少や高齢化などの進行が著しい地域に移住し、定住することで、人口減少に歯止めをかけ、地域力の維持・強化を図るというものです。藪内さんは、数年前に遠野産のホップを使ったビールを飲み、そのおいしさが印象的だったことがきっかけで、農業をやるならホップ栽培に関わりたいと、青笹町にある遠野アサヒ農園で、一連のホップ栽培に携わりながら、栽培方法について学んできました。取材に伺った先週月曜日、藪内さんは、雪の積もる中来年のホップ栽培に備えて、高さ5mのワイヤーに、ホップの蔓を誘引するためのひもを、1本ずつ手作業で丁寧に結んでいました。また、藪内さんは、休耕田を活用しようと、クレソンの栽培にも取り組んできました。ホップ栽培が終わった冬の期間に、藪内さんは、このクレソンを使った加工品の試作にも取り組んでいます。先週10日、商品開発やマーケティングの経験があるという、青年海外協力協会の新保隆彦さんと一緒に、遠野産の野菜ジュースのレシピを考案していました。このジュースには、藪内さんが育てたクレソンとほうれんそう、緑峰高校から提供された遠野伝統野菜「早池峰菜」が使われていました。このジュースの商品化を目指すことで、継続的に利用可能な休耕田の仕組み作りにつなげようと取り組んでいます。また藪内さんは、インターネットを利用し、地域おこし協力隊の活動の様子や、地域の魅力などの情報を発信しています。そんな藪内さんの夢とは。先月13日には、藪内さんと同じ地域おこし協力隊として、山田泰平さんが神奈川から遠野に移住し、旧上郷中学校の利活用に取り組んでいます。山田さんと力を合わせながら、遠野を盛り上げ、遠野での就農を目指す、藪内さんの挑戦は続きます。

Copyright(C) TonoCableTelevision. All rights reserved.