2015年11月4日放送

千葉家まつりの話題

千葉家まつりの前夜、千葉家まつり実行委員会のメンバーが設置した灯籠が、千葉家に向かう坂道を温かくともす中、たくさんの人が集まり、映画「遠野物語」の鑑賞会が開かれました。会場では、温かい甘酒とおにぎり、そして千葉家の親戚で現在福島大学に通う千葉隼輔さんなどが、福島の郷土料理を遠野の人たちにも食べてもらいたいと準備した「ごんぼっぱもち」が、参加者に振る舞われました。映画「遠野物語」は、千葉家がメインロケ地となり、33年前に公開された作品で、「第35回サレルノ国際映画祭」では、グランプリを受賞しました。千葉家や遠野の街並みがスクリーンに映し出されると、参加者たちは、興味深そうに見入っていました。一夜明け、千葉家まつりの本祭となったきのう(3日・火曜日)、千葉家の古き良き時代のハレの日を再現した「花嫁行列と郷土芸能の宴」が行われました。千葉家前では初めに、綾織の女性たちによる山口女相撲甚句が披露されました。そのころ、千葉家から歩いて10分ほどの所にある滝沢地区コミュニティセンター前では、花嫁行列の準備が進められていました。花嫁役を務めたのは、ことし9月に、青笹町から綾織町に嫁いできた昆勝子さんです。準備が整った後、「重文千葉家の活用を考える会」の及川傳弘会長を先頭に、花嫁行列が千葉家に向けて出発しました。婿役は、昆和寿さんです。和寿さんと勝子さんは、結婚のあいさつ回りをしていた時に、今回の役の依頼があり、引き受けたということです。3年前まで綾織地区センターの所長を務めた菊池幸司さんが「長持ち歌」を歌う中、仲人役の千葉やよいさんが花嫁の手をとり、行列は一歩ずつゆっくりと進んでいきます。花嫁行列が進む中、千葉家前では綾織南部ばやしが披露されました。千葉家縁側には、昔ながらの結婚式を一目みようと集まった大勢の観客が集まっていました。そして、新郎新婦はたくさんの祝福を受けながら千葉家に到着しました。そのあとは、三々九度です。その頃、千葉家まつり実行委員会の料理班は、披露宴に出す料理の準備を行っていました。披露宴で出されるお祝い膳は、千葉家と親戚の千葉キワさんから話を聞き、それをもとに「会席膳」「本膳」「夜食膳」を再現したものです。料理班のメンバーは、ひとつずつ丁寧に最終調整を行っていました。披露宴の準備が整うと、江戸時代から伝わり、祝宴に先立ち歌われるという「氷口御祝い」が披露されました。乾杯の後、参列者たちは新郎新婦の末長い幸せを願いながら杯を交わし、料理に舌鼓を打っていました。披露宴が行われる中、千葉家の庭では郷土芸能が披露され、綾織に伝わる遠野郷南部田植踊りと、綾織しし踊りが披露されました。最後に、千葉家まつり実行委員会の菊池ナヨ委員長が閉会を宣言し、「千葉家まつり-ありがとう180年、未来に向けて-」は、幕を閉じました。千葉家は、来年4月から大規模な修理が始まる予定となっています。

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