2015年8月31日放送

遠野市防災訓練

全国各地で発生している地震・土砂災害を踏まえて警戒避難体制の強化などを目的とした防災訓練がきのう(30日・日曜日)市内13カ所で行われました。きのうの訓練は、遠野市に土砂災害警戒情報が発表され、直ちに市の災害対策本部が設置され住民に対し、避難勧告が発令されたことを想定して行われました。青笹町では、遠野市防災マップの急傾斜危険エリアに指定されている吉祥園が指定訓練場所となり施設関係者や利用者など、およそ70人が参加しました。午前7時過ぎ、避難勧告が市内全域に放送されると、遠藤利則施設長が中心となり施設状況の確認や利用者の避難支援を行いました。避難支援には、婦人消防協力隊や消防団も加わり、施設利用者46人を11台の車に乗せて、避難場所となる「遠野長寿の郷」へ次々と避難させていました。避難勧告が発令されてから、およそ30分で施設関係者全員が長寿の郷に到着すると、遠藤施設長が消防署へ避難完了の連絡をして訓練が無事終了しました。また、訓練終了後、岩手大学農学部の砂防学を研究している井良沢道也教授と、研究生3人を交えて「土砂災害対策の現状と課題について」のワークショップが行われました。ワークショップでは、避難訓練についての意見交換が行われたほか、研究生たちからハード面での岩手県の現状として、土石流危険渓流に位置する施設が40%あることなどが説明されました。県内初の試みとして行われた要配慮者利用施設における土砂災害を想定した避難訓練とワークショップに参加した吉祥園の職員などは、県内の土砂対策の現状と課題について理解を深めた様子でした。

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