2015年5月20日放送

文化財レスキュー 大槌町に資料返還

東日本大震災の津波で全壊した大槌町立図書館から救出された資料の修復作業がこのほど完了し、おととい(18日、月曜日)大槌町に返還されました。この日は、修復が完了した資料1034点を納めた段ボール箱がマイクロバスに積み込まれ、およそ4年ぶりに大槌町に返還されました。遠野文化研究センターでは、「三陸文化復興プロジェクト」の一環として、東日本大震災の2カ月後に津波で全壊した大槌町立図書館から資料を救出して遠野で預かり、クリーニングと修復作業を行ってきました。被災した資料は、明治時代の大槌町議会の資料はじめ郷土作家の原稿や新聞スクラップブックなど膨大な量で、中には、昭和8年津波の際に、遠野の青年団が大槌町でボランティア活動した記録も含まれており、遠野の歴史を知るうえでも貴重な資料だったといいます。修復作業には、東京文書救助隊から資材や技術の提供を受けて遠野文化研究センターの職員と市内外からのボランティアが延べ1765人携わり、1枚1枚丁寧に泥や砂を落として水洗いし修復したということです。資料を受け取りに来た大槌町生涯学習課の瀧澤康司課長は、「皆さまの支援のおかげで、町の貴重な資料が救われ、大変感謝しています。将来的には展示会を開催するなど、活用する予定です」と話していました。返還された資料は、旧金沢小学校の校舎に一時保管したのち大槌町末広町の御社地地区に再建する図書館に収容する予定ということです。

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