2013年11月5日放送

遠野文化フォーラム

3日の文化の日にあわせて遠野文化フォーラムが開かれ、遠野文化奨励賞の表彰などが行われました。遠野文化フォーラムは遠野の文化に磨きをかけ文化の力で元気なまちをつくり発信しようと遠野文化研究センターが開きました。フォーラムの始まりには表彰が行われ、今年度、遠野文化奨励賞を受賞した2人の栄誉を称えました。今年度の遠野文化奨励賞に選ばれたのは、神奈川県川崎市の川崎瑞穂さんの論文「大出早池峰神楽源流考(おおいで はやちね かぐら げんりゅうこう)」と、埼玉県春日部市(かすかべ し)の深澤優美さんの論文「物語の中の狼」です。この日の表彰には深澤さんが出席し、本田市長など選考委員から盾と記念品が贈られました。深澤さんの論文は、遠野物語とグリム童話を参考に日本人が持つオオカミ観と西洋のオオカミ観の違いについて考察するなど、熱意が感じられ意欲的であると評価されました。そして、この日の文化フォーラムでは、新たに認定された「遠野遺産」と「遠野こだわりの語り部」に認定証が交付されました。今回で8回目の認定となる遠野遺産は、柏木平(かしわぎだいら)の砥森(ともり)神社をはじめとする建造物や民俗芸能、自然遺産など11件です。遠野遺産認定証の交付では本田市長が「これからも大切にしてください」と声を掛け、推薦した団体の代表に認定証を手渡しました。また、遠野の暮らしや文化を「語り」で伝える「遠野こだわりの語り部」には今回11人が認定され、それぞれには認定のネームが贈られました。今回の認定で遠野遺産は全部で135件になり、遠野こだわりの語り部は全部で588人になりました。そして遠野遺産を活用した地域の事例発表では、上郷町第9区自治会が「赤羽根稲荷神社」の取り組みを紹介しました。上郷町第9区自治会は社殿の修復と参道の整備を通じて地区の結束が強まったと話し、赤羽根稲荷神社を心のよりどころとしてますます価値あるように維持していきたいと決意を新たにしていました。今回の文化フォーラムでは「日本のグリム」と言われる佐々木喜善の縁でドイツのグリム兄弟博物館から館長を招いて講演も行われました。講演は、「グリム兄弟博物館の経緯と展望」と題して行われ、ブルックハルト・クリンク館長が写真を使って館内を紹介しました。現在、市立博物館で開催されている特別展「佐々木喜善とグリム兄弟」を見学したブルックハルト館長は、講演で喜善とグリム兄弟の共通点は多いと話し来年1月には喜善とグリム兄弟をテーマにした展示会をドイツで開催することを約束しました。また、この日は、グリム兄弟が育ったドイツのシュタイナウ市の市長からの親書が本田市長に手渡され、橋渡し役となった日本グリム協会の橋本孝会長が親書の内容を紹介しました。シュタイナウ市の市長の親書には、「将来、文化的姉妹都市として互いに意見を交わして関係を深めていくことを心から楽しみにしている」と記してあり、訪れた人たちは遠野の文化や魅力を世界に発信する新たな展開に期待を寄せていました。

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