2013年10月9日放送

「高山植物が危ない」早池峰山のシカの脅威

早池峰山の高山植物をニホンジカの被害から守るための講演会が先週土曜日(5日)、あえりあ遠野で開かれました。この講演会は、早池峰山に生育しているハヤチネウスユキソウなどの貴重な高山植物をニホンジカの被害から守ろうと日本勤労者山岳連盟自然保護委員会が開きました。この日は、日本勤労者山岳連盟の会員など遠くは、奈良県からおよそ100人が集まりました。講演では、農林水産省森林総合研究所東北支所の堀野眞一さんが、早池峰山をニホンジカ被害から守る対策について話しました。シカによる希少植物の食害は、世界遺産地域をはじめ全国的に問題になっています。堀野さんによると現在早池峰山では、シカによる高山植物の被害は出ていないと言います。しかし、今後被害が予想されることから平成23年から早池峰山周辺地域のシカの生息状況や季節ごとの生息場所についてセンサーカメラを使った調査が始まっています。堀野さんは、「シカを捕獲するだけでなく資源として利用することでシカと私たちが有益な関係になるのではないか」とシカを捕獲したあとの活用についても触れていました。講演会のあと参加者からは、シカの捕獲に欠かせない猟師の高齢化をどう対策していくかやシカの頭数を人間が管理するべきであるといった意見が出されていました。

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