2013年7月2日放送

第2回将来の課題のための日・オーストリア委員会

ドイツの南側、中部ヨーロッパの内陸に位置するオーストリアと日本の経済や文化などをテーマに意見を交わす将来の課題のための日本・オーストリア委員会がきのう(1日)、遠野市を会場に開かれました。この会合は外務省が開いたもので、山岳地帯という共通点を持つ日本とオーストリアの交流をより広い分野で活性化させようと経済や文化、科学技術などの広いテーマで毎年、意見が交わされています。今年は日本が会場となっていてその中でも林業が盛んで被災地の復興にも取り組む遠野市が選ばれました。きのうは、「地域社会と経済の再生に向けた林業と木材産業の重要性」をテーマに公開シンポジウムが開かれ両国の現状や取り組みを聞こうと市内外から大勢が集まりました。東京大学の鮫島正浩教授によりますと日本の森林面積は、オーストリアのおよそ6倍あるものの、木材の生産量は日本のほうが少ないといいます。鮫島教授は、日本とオーストリアを比較しながらオーストリアから学ぶことは多いと話し、資材としてはもちろんのことエネルギーとしての木材利用が進むことにも期待を寄せました。また、オーストリア側のプレッターホーファー委員は、木材を高く売りたい林業と安く手に入れたい木材産業を別々に捉えがちだがどちらも目的は一緒で、木材の需要拡大を目指していると話し、木材のより高い価値を生み出して林業と木材産業を今後発展させるには互いの協力が欠かせないことを訴えました。この日の参加者からは、日本では利益を見出しにくい育林の分野でオーストリアはどう利益を上げているのかなど経済的な活動のほかに環境に対する配慮についても質問が出ていました。将来の課題のための日本・オーストリア委員会のメンバーは、きょう(2日)、青笹町の木工団地などを視察し復興事業での林業や木材産業の貢献についても意見を交わしています。

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