2016年3月7日放送

高校再編を考える市民シンポジウム

遠野高校と緑峰高校を統合するという岩手県の高校再編計画案について考えようという市民シンポジウムがきのう(6日・日曜日)あえりあ遠野で開かれました。きのうは、シンポジウムを前に「高校再編を考える市民会議」の設立総会が開かれました。これは、県教育委員会が去年末までに取りまとめた、遠野高校と緑峰高校に校舎制を導入して平成32年度に統合するという県立高校再編計画案に関して、市民の意見を集約しようと、遠野高校や緑峰高校の同窓会などの市民が自ら立ち上げました。総会では会長の選任が行われ、緑峰高校同窓会の藤井洋治会長が就任することが決まりました。このあと、高校再編を考える市民会議が企画したシンポジウムが開かれました。シンポジウムには、市民や本田市長などあわせて200人が出席しました。初めに藤井会長が「特色ある市内2校の存続に向けてみなさんのお力を貸して下さい」とあいさつしました。このあと市教育委員会の担当者から、県立高校再編計画案の概要や市の対応策が説明されました。県教育委員会が示した高校再編計画案では、高校の望ましい学級数は、1学年4から6学級とし、人口減少に配慮して最低規模を1学年2学級としています。遠野地域では、中学校卒業予定者の減少に伴い、緑峰高校は、今後2学級を維持することが困難になると予測されることから、平成32年度に遠野高校と緑峰高校を統合する案が示されています。県教育委員会の案に対して市は、中学校と高校の連携強化や大学とのパイプづくりなど魅力ある教育環境を目指すことを目的とし、「(仮称)遠野地域・学校連携センター」を開設するとして、県教育委員会に先月、提案書を提出しています。このあと、元教諭の藤村正子さんや遠野ホップ和紙を育てる会会長の菊池範子さんなど7人によるパネルディスカッションが行われました。このなかでパネリストたちは、県教育委員会の案は、生徒数減少の影響の数合わせで人を育てるための教育になっていない、国に訴えることも大事ではないかと話していました。また今回の案は、生徒の選択肢を減らすと共に地域づくりのための後継者育成に大きな影響を与えてしまうと訴えていました。「高校再編を考える市民会議」では、あさって9日・水曜日に県知事や県教育委員会などに2校存続を求める決議文を提出するということです。また、きのうは、緑峰高校の同窓会特別会員で京都大学の池上惇名誉教授が緑峰高校の生徒と同窓会長に寄付金50万円を贈りました。寄付金は、緑峰高校の早池峰菜の商品開発とホップ和紙の産業化などを後押しすると共に高校再編問題に毅然とした対応をしてほしいと京都大学の関係者などから募ったものです。池上名誉教授は、生徒たちに「これからも独自の特色を生かした素晴らしい研究を続けて下さい」とエールを送りました。これに対し緑峰高校の草花研究班の新田亜優理副班長がホップ和紙で作ったしおりと名刺をプレゼントしました。そして、緑峰高校の野菜班の阿部駿彦副班長が「地域活性化に貢献できるようにこれからも研究を頑張ります」とお礼の言葉を述べました。寄付金は、生徒たちが取り組んでいる早池峰菜ソースなどの開発費に活用されるということです。

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