2016年2月2日放送

今後の県立高校に関する地域検討会議

岩手県教育委員会の「今後の県立高校に関する地域検討会議」、釜石・遠野ブロック説明会がきのう(1日・月曜日)、釜石市で開かれ、本田市長は市内2つの高校を存続させるよう要望しました。この「地域検討会議」は、県教育委員会が昨年末までに取りまとめた、新たな県立高校再編計画案への意見を聞くため、県内9ブロックで開かれるものです。釜石市で開かれた、釜石・遠野ブロックの会議には、釜石市の野田武則市長のほか遠野市からは本田市長や藤澤教育長など合わせて14人が出席しました。会議では初めに、県教育委員会の担当者から説明がありました。計画案では、高校の望ましい規模は1学年4学級から6学級とし、人口減少に配慮して最低規模を1学年2学級としています。釜石・遠野ブロックでは、中学校卒業予定者が平成28年度の651人から32年度には531人に減少する見込みで、県の教育委員会によりますと緑峰高校は、今後2学級を維持することが困難になると予測されているということです。そのため、複数の校舎を1つの学校として機能させる「校舎制」を導入し、平成32年度に遠野高校と緑峰高校を統合する案が示されています。このあとの意見交換で本田市長は「遠野は、今回の計画案を受け入れることはできない。子どもが少なくなるからといって専門学科のクラスを減らすというのでは、将来を担う人材の育成にはつながらない」と述べました。また、藤澤教育長は「子どもたちにとって今回の計画は選択肢を狭め、不安しか与えていないのではないか」と訴えました。このほか出席した人からは「この再編案は、希望や夢を持てる教育に、具体的にどう取り組んでいくのかが見えない」という意見が出されました。また、本田市長は、県教育委員会に対し、中学校と高校の連携強化や大学とのパイプづくりなど魅力ある教育環境を目指すことを目的とした、「(仮称)遠野地域・学校連携センター」開設の提案書を提出しました。受け取った県の教育委員会は、今後、協議・検討すると述べました。県教育委員会では、9ブロックの会議での意見をふまえ、今年度中に県立高校再編についての方針を示すということです。また、昨夜(1日・月曜日)は遠野高校で、釜石・遠野ブロックの市民などを対象にした説明会が開かれました。昨夜の地域説明会には、およそ35人が参加し、県教育委員会から新たな県立高校再編計画案について説明があったあと、意見交換が行われました。この中で、参加者からは「遠野高校は進学校として、緑峰高校は特色ある授業で頑張っているので、現状維持をお願いしたい」「商業系学科を廃止する計画案だが、農業を生かしながら商業も生かすことはできないのか」など、2校の存続を要望する意見が多く出されていました。県教育委員会では、広く意見を求めるため、ハガキや電子メールなどを通じたパブリック・コメントを来週12日・金曜日まで実施し、地域説明会などで出た意見などを踏まえ、検討を重ねながら、県立高校再編計画の策定を進めていくとしています。なお、あす(3日・火曜日)は緑峰高校を会場に、説明会が開かれる予定となっています。

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