その3
塩原温泉会津屋(栃木県那須塩原市) |
2018年11月16日(金) 塩原温泉→遠野へ戻る |
朝、旅館の浴衣と羽織を着て下駄を履いて散歩に出る。昔の文豪たちもこうして散歩したのだろう。昨日は箒川沿いに歩いたが、今日は紅の吊り橋を渡ってみよう。 吊り橋を渡り少し歩いたところに混浴の共同浴場もみじ湯があった。除いてみると「おはようございます」と声をかけられた。誰もいないと思っていたからびっくりした。「おはようございます」と返し、「ここは無料で入れるのですか」と聞いてみる。 「一応清掃協力費の100円を料金箱に入れるようになっていますよ」 あいにく財布は持っていない。外で風呂に入ることは想定外だったからタオルも持っていない。「いいお湯だからどうぞ入ってよ。オレが管理しているわけではないが、100円は次の機会でもいいよ」と言う。 よし、入って行こう。周りは簡単な板やスダレで覆われているが、対岸の旅館等から見られるのではないか。慎重に浴衣を脱ぎ、手ぬぐいもないからそのまま湯船に入る。熱い!「そっちは熱い、こっちの方が入りやすいよ」と言われ場所を移動する。 先客は地元の人のようだ。話し好きで止まらない。自分は陸上自衛隊だったと言い、岩手から来たというと、「おお、知っとる人がいるよ、菊池さん、岩間さん」。 箒川沿いにはこんな共同の露天風呂が何箇所かあるが、数年前、混浴での盗撮騒ぎや、アダルト動画撮影。それがネットで拡散されると観光客がどっと押し寄せた。その後も風紀上の問題が発生し、今は閉鎖されているという。 「ここにも時々女性が入りにくるよ」と言うが、今朝はもう1人男性が来ただけだった。もみじ湯というだけあって、回りは赤いモミジに覆われている。風情があるなあ。30分ほど話し相手になり、温泉に浸かる。そろそろ上がろう。タオルもないからすっぽんぽんのまま濡れた体を浴衣で包み、下着類は袖の下に入れて旅館に戻った。下半身が妙に風通しがいい。 昼食は8時から。食事が美味しく昨夜の宴会料理もそうだが、ほとんど残すことなくいただいた。昨夜は栃木牛(大田原牛?)のステーキも付いたが、朝食はまあ、どこにもあるような和食だったが、美味しかった。 10時頃にまた昨日のワゴン車に乗り那須塩原駅まで送ってもらう。K藤は11時8分の上りの新幹線で、私は11時22分の下りに乗る。次は2月26日(火)、今度こそ上会津屋に泊まろうね。仙台で別のやまびこに乗り換え13:41新花巻着。 駐車場に停めてあるのはミニ。エンジンを掛けてすぐに走るのはご法度、5分ほど暖機運転した後に出発する。14時20分に遠野西中学校に集合だからギリギリか。少し遅れるかも知れないとは言っていたが、その後パソコンやプロジェクター、USBメモリの準備等もあるから何とか14:20までには着きたい。人権教室は14時40から始まる。 |
2018年11月15日(木) 塩原温泉会津屋へ |
8時50分チェックアウト。歩いてフォーラム那須塩原へ。 9:30~「ボヘミアン・ラプソディ」を4DXで観る。あの伝説のロックバンドクイーンの映画だ。4DXを初めて体験した。画面とともに座席が前後左右に揺れ動く。雨が降ってき、風が吹き、匂いまでも感じられる。雷などではストロボも点滅する映画館の新システムだ。岩手県にはまだない。 発券所で高齢者や血圧の高い人はご遠慮下さいと注意される。ポケットから物が落ちますよとか、衣服に水がかかりますよ、飲み物などが飛び散ることがありますよ、とか言われる。 期待と少しの不安で座席に付く。普通の座席より広めで、前後の余裕もある。足元は一段高くないステップが付いている。これも揺れるのだろう。やがて始まった。アニメの予告編だったが、これも4DXだったようだ。座席が動く動く。時にはゆっくりと時には激しくビートを伴って揺れ動く。安全のためにシートベルトがあった方がいいと思った。探したがシートベルトはなかった。 フレディ・マーキュリー役のラミ・マレックの歌声は素晴らしかった。演奏シーンが圧倒的である。残念ながら日本公演のシーンはカットされたようだが、ラストのライブ・エイドの20分以上にもわたるシーンは大迫力である。4DXと相まって未体験のライブ感を得られる。 フォーラム塩原でタクシーを頼む。最初は黒磯駅までと思ったが、電車の待ち時間が長そうだから、直接那須塩原までタクシーで行くことにした。 12:21着の新幹線でK藤が那須塩原着。6月頃だったか東京で会って以来だ。あの時は市川(千葉県)のA石も一緒だった。いつものように駅前の平成という和食屋で日本そばを食べよう。まずは久しぶりにビールで乾杯だ。暖かい天ぷら蕎麦が美味しい。K藤はざる蕎麦だった。 14:00~会津屋の送迎の車に乗り45分で会津屋に到着する。すぐ斜め横に上会津屋があった。本来我々が泊まる予定だった旅館は上会津屋の方だったのだ。奥塩原の大出旅館の女将の姉(妹?)が女将を務めるホテルだ。美人姉妹だ。K藤が予約したのは上会津屋ではなく会津屋の方だったが、まあ上会津屋は次の機会にしよう。 会津屋の温泉はもちろん源泉かけ流し。2本の自家源泉を持つと言う。日本自然療法学会から日本四大美人の湯に認定されたのだそうだ。まるで化粧水にどっぷりとつかるような泉質なのだとか。 ウォーキングを兼ねて温泉街を散歩する。箒川に沿って遊歩道が整備されている。対岸に渡る吊り橋も何箇所かあった。紅の吊り橋付近、つまり上会津屋のすぐ近くに「塩原ものがたり館」がある。 入館料を払って資料展示室に入る。塩原温泉来訪の文豪たちとは、国木田独歩、長塚節、徳富蘆花、幸田露伴、尾崎紅葉、田山花袋、斉藤茂吉、与謝野寛・晶子、夏目漱石、大町桂月、野口雨情、谷崎潤一郎、室生犀星、北原白秋、山岡宗八、大岡昇平など、そうそうたるメンバーだ。塩原温泉と文豪たちを紹介する映画を30分ほども見る。最後まで見たのは私一人だった。 |
塩原温泉明賀屋本館(栃木県那須塩原市) |
2018年2月22日(木) 塩原温泉から西那須野駅→那須塩原駅、そして遠野へ |
![]() 脱衣かごに浴衣などがあるから誰か一人先客がいるようだ。裸になり、足元に気を付けながら浴槽の方に降りて行く。メガネをかけないからよく見えなかったが、急に女性の声が聞こえた。無防備だったからびっくりした。あわててタオルで前を隠す。 「すみませんねえ。誰もいないと思って、こっちに入っちゃったの。女性専用時間帯にはまだ早いですよね」 動揺を悟られまいと、いつもより低い声で、「あっ、かまいませんよ。もともとここは混浴ですし。どうぞ、こっちの方が暖かいですよ」。女性は遠慮してか、奥の暗い方の湯船に浸かっていたのだ。 声の質からすると若くはないようだ。50代か60代か。川に向って露天風呂に浸かっていると、後ろの方で何やら水音がし、やがて踏板を踏む音が派手に聞こえてきた。バスタオルで体を拭いて浴衣を着る気配などが感じられる。もうあがったたんだな。振りかえれば脱衣所は見えるが、もちろん振り向くことはせず、じっと川面を眺めていた。 ![]() やがて、踏板を踏むスリッパの音とともに女性は階段を上がって行ったようだ。よかった、これで落ち着いて川岸露天風呂を1人占めできる。湯船が全部で5つほどある露天風呂をあっちに行ったりこっちに来たり。女性専用になる7時前に上がり、部屋に戻る。K藤とF島は内風呂に入ってきたようだ。 「川岸露天風呂には女性が入っていたぞ。ばあさんじゃない、妙齢(あいまい)の女性だった。会話もしてきたぞ」と、2人を少々悔しがらせる言い方でしゃべった。急な八十八段の階段は危険でお年寄は行けない露天風呂だから、たぶん”妙齢の女性”、それでいいのだ。 7時過ぎに朝食。8時半ころにミニバンの送迎車に乗り、塩原塩釜バス停へ。バス停の傍にあったのが、足湯ならぬ指湯。温泉が流れ、手や指を温めるのだ。 バスは1時間ほどで終着西那須野駅。このバスは新幹線駅の那須塩原駅には行かない。西那須野からは在来線で一駅乗って那須塩原駅へ移動する。 |
2018年2月21日(水) 大学出校2日目、午後から塩原温泉明賀屋本館へ |
![]() 大学で用意してくれた昼食を取り、12:30~シャトルバスで那須塩原駅に向かう。 那須塩原駅で東京から来たK藤と会い、13:01に新幹線で盛岡から来たF島とも落ち合う。バスの時間(13:55)まで時間があるから、駅前のレストランで軽くビールなどを飲むことにする。F島とは1年ぶり、K藤とも半年ぶりぐらいか。大学出校で栃木県や東京に来られるのもあと1年だけ。しかし、その後だって1年に1度や2度は、こうやって秘湯を訪ねることにしようや。 13:55、路線バスで1時間ほど、塩原温泉郷へ。塩原塩釜というバス停(終点の1つ手前)で降りると明賀屋本館のスタッフが待っていてくれた。ワゴン車に乗り本館へ。我々3人の他に3人、計6人がワゴン車に乗った。日蔭になる坂道は一部凍結道路だったが、雪は思ったほどではなく、雪景色というほどのものでもない。 チェックインの後、しばらくビールなど飲んでリラックスする。そして、さあ温泉だ。明賀館本館の温泉は、ナトリウム塩化温泉と単純温泉、どちらも自然湧出でもちろん源泉かけ流し。内湯は2種類の色の湯が楽しめる。そこで30分ほど。K藤とF島はすでに上がっていった。その後は川岸露天風呂へ。秘湯の雰囲気を味わえる露天風呂である。一応混浴となっているが、他に客は誰もいない。一人鹿股川と対岸を眺めながらのんびりと湯船に浸かる。 やがて、K藤とF島もやってくる。私の温泉が長いことはいつものことで、2人とも知ってはいるが、それでも1時間に1度ぐらいは無事かどうか見に来てくれるのだ。申し訳ない。 3人で、洞窟のような露天風呂もある川岸露天風呂を満喫する。やがて2人が上がって行き、またも私の一人占めとなる。一人だからいいだろう。メガネを持って来て、回りをじっくりと見る。対岸の急斜面に祠(ほこら)のような物がある。人工的なものだから、誰かがあんな所に作ったのだろう。 18:30~夕食(部屋食)。ビールはかなり飲んだから今度は熱燗にしよう。銘酒、天鷹(てんたか)かな。 |
大丸温泉(栃木県那須町) |
2017年6月12日(月) 大丸温泉→那須塩原→新花巻→遠野 |
![]() 朝6時30頃、川の湯の一番下流、一番大きな湯に入って行くと、女性のグループがいた。「おはようございます」と挨拶をされた。私も、「おはようございます」 メガネを取っているし、どんな年恰好の女性か分からなかったが、笑い声などを聞いていると、それ相応の年の女性たちのようだ。下心もないが、あんまり近づかないようにし、女性グループから距離を取った所で湯に浸っていた。 ゆっくり流れる雲を見上げながら川の湯に浸かっていた。夕べは夕食を食べながら教え子たちに電話をした。千葉県のA石とは今年中にぜひ千葉県の船橋あたりで会おうと言った。K藤が埼玉県のN子にも電話をかけ、すぐにアイフォーンをこちらに渡す。元気そうだった。部屋に帰ってからも電話がかかってくる。 盛岡のN子だった。酔っ払い、寝ていた所の着信音にあわててテーブルにけつまずいてひっくり返るK藤。酔っ払うとバランスを崩し易くなるのだ。孫が盛大附の野球部員でもうすぐレギュラーの所にいる2年生だという。今年の夏の甲子園を期待しているよ。 9時半チェックアウト。ワゴン車に乗せられてバス停の所まで。茶臼岳に続くロープウェイが見えるところ。 |
2017年6月11日(日) 大田原キャンパスOC 大丸旅館に宿泊 |
今日は今年度2度目のオープンキャンパス。7月の学科同行訪問の担当者確認、日程決定、打合せを兼ねて大学に出校した。STはM教授、PTはK教授、SHMはK准教授と会い、簡単な打合せ。希望日程を第2希望まで聞いていたが、見事に3人とも別日程を希望してくれ、第1希望で同行訪問を実施することにした。 昼食は弁当も出たが、学食でカレーライスを食べることにした。今日のOC参加者には学食で3メニューから選べる食券も付く。私も資料をもらったらそれに付いていたので、弁当よりは学食のカレーライスが食べたい。弁当は要らないと言ったが、残されても困るのでと言われ、持ち帰ることにした。 12:30の送迎バスに乗り那須塩原駅へ。13時21分着の新幹線やまびこでK藤が来るはず。改札口の所で待つ。赤いティーシャツが見えたからK藤だと思った。彼はいつも赤いシャツやジャンパーを着る。手を振ろうとして、おっと、違う人だったと気づき、手を降ろす。ややあって、ゆっくりとK藤が姿を現した。赤色の半袖ティーシャツを着ていた。もう半袖か。今日は曇っていて寒いと思うが。 駅前のHという食堂に入り(ここは2階和室は喫煙できる)、生ビールを1杯ずつ飲み、「お食事のメニューはお決まりになりましたか」というスタッフに頭を下げて、ビールだけで出てきた。 13時55分、那須大丸温泉行のバスに乗る。1時間ほどで茶臼岳のふもとのバス停で降りる。そこから旅館のワゴン車に乗り、大丸温泉旅館に行く。3時過ぎにチェックイン。 今年3月、大田原高校の生徒や先生が犠牲になった雪崩の現場はここから近い所だという。バス停の所からもロープウェイが見えたがあっちの方だったのだろうか。悲惨な事故だった。大田原高校の生徒は本学にも何人も入学してくるから他人事とは思えない。冥福を祈ろう。 K藤とさっそくビールを飲む。缶ビールを1本飲んで風呂に行く。男女別の内湯があり、そこを出ると流れる川の湯だ。プールのように広い。そこから少し上がると中流にも川をせき止めた流れる温泉がある。誰もいない。石の階段やわき道を通ってさらに上流に行く。そこも混浴であり、木の壁がありその上は女性用の流れる温泉になっているようだ。 3つ目まで来てK藤は「じゃあ、俺は上がります」って言い、下に下がって行く。腰にタオルを巻いて。しばらく上流の流れる川にゆらゆらと揺れながらゆったりと緑の木々を眺める。忙しかったなあ。5月から6月にかけての1ヶ月間、広島に行き、青森に2回、北海道は札幌と函館に行ってきた。おとといの夜に函館から帰り、1日おいて今日大田原市のオープンキャンパス、そして秘湯温泉の旅となる。温泉でゆっくりと身も心も癒し、疲れを取って帰ろう。 |