A・J・クィネル


2005年1月24日(月) 「燃える男」(A・J・クィネル・著)を読む 「マイ・ボディー・ガード」の原作である
 「燃える男」と言っても小林旭の自伝やトラクターの宣伝などではない(誰もそう思わないヨ、^_^; )。映画「マイ・ボディー・ガード」の原作本である。先日、職場の同僚が貸してくれたものだ。当サイト映画のページで、「マイ・ボディー・ガード」(原作:A・J・クィネル、Man on Fire)とあるのを見て、面白い本だったからと、実際に映画も観てきたと言う。A・J・クィネルのファンのようだ。
 (原作は)映画とはだいぶ違いますよと言っていたが、なるほど、誘拐された女児の名前もピンタ(原作)と、ピタ(映画)で微妙に違う。発音の問題か。映画の字幕では確かに「ピタ」だった。映画ではラストに彼女は生きて返されるが(ネタバレ、ごめんなさい)、原作では陵辱されたうえ殺される。
 原作では1部、2部、3部があり、1部では、クリーシーとピンタの交流からピンタが誘拐され殺されるまでが描かれる。2部でクリーシーはマルタのゴゾで肉体訓練などの準備を行う、そして3部でクリーシーが復讐の鬼と化す。この3部が当然ながら一番面白い。映画ではこの第2部が全く省略されていたと思う。
 また、細かいことだが、クリーシーの好む酒は、原作ではスコッチ、映画ではジャック・ダニエルだった。ジャック・ダニエルはアメリカ、テネシー州のウィスキーである、多分。
 映画を見ているから人間関係もストーリーもすでに頭の中に入っている。大筋は映画の通りである。斜め読みでも面白く読めた。
 「目には目を、かね?」「いや、それ以上だ。目だけではない。奴らのありとあらゆる部分だ」、と言い、尻の穴にまで爆弾を仕掛ける。映画にもあったシーンだ。身内に裏切り者がいたが、映画でもやはり裏で同一人物が事件の鍵を握る。
 初老の元傭兵というクリーシーの造形の描写が俳優デンゼル・ワシントンと見事に重なる部分もあるが、これは映画を観ているから当然のこと。もし観ていなければ、「ランボー」シリーズのシルベスタ・スタローンにイメージを重ねていたかも知れない。


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