●匠「菊池恭二」

 

「木の心」

私の仕事。 それは寺や神社を造る社寺建築です。
師と仰ぐ故西岡常一棟梁のもとで学んだ心、「木のいのち」、「木の心」。
「最初からまっすぐな木は無い」のだと。
「木は、風や雨に打たれ、冬には雪で押し潰され、春になると雪が解け、傾いた木は起き上がり、毎年右に倒れたり左に倒れたりして上へ上へと延び成長し、やがて一本の大木となる」のだと。
その「木」が神社や寺院の御用材として使われます。
先人が植えた大切な木材を使わせて頂く、有り難い事だと思います。

「心技一体」

立木は、山の南側、北側、谷、峰のそれぞれの場所で、木が生え育つ、生えている場所により木の成長、材質に違いがあります。
木材一本一本、それぞれ材質の特性を持っています。
その違いを(木材の癖と言います)木造建築は、その癖と癖を組み合わせて建築物を造りますが、大工一人一人もまた技術技量の差があります。
その大工達が木材の色々な癖を見抜き、適材適所に木の癖をよみ「心技一体」となり、木造建築物を造りあげます。

 

「施主に合わせた造り方」

社寺建築を建てるには、施主さまの神社、寺院の宗派や宗旨発生の時代を知らなければなりません。
その寺院や神社さまに合わせた造り方があり、そこが一番大事な所と思います。

「先輩に学ぶ」

文化財の修復では、その建物を解体して腐った所や割れた所を補修して復元されます。昔の大工たちは当時の鑿(のみ)や鋸(のこぎり)で、穴やほぞを造っています。
その穴の鑿の痕、鋸の挽き肌、硬い節に掘ってある穴の中の鑿の刃こぼれの痕などを見て、私達の先輩、大工たちも御苦労して仕事に励んだと思うと、私の胸も熱くなる思いがします。

「未来へ伝え残したい」

何百年も前に活躍した先輩たちに「心」で呼び掛けながら、古い技術を尊重し、新しい技術を創造しながら、より良い建築物を造り、また次の世代に、未来へ、自分の学んだ技術を伝え残したいと願っています。

 

社寺匠「菊池恭二」

 

   
 
   

最終更新日 2006年12月26日
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