2022年6月6日放送

馬っこつなぎ

季節ごとの民俗行事を再現している遠野ふるさと村でおととい(4日・土曜日)、春の恒例行事「馬っこつなぎ」が行われました。「馬っこつなぎ」は、田んぼの神様をお迎えし豊作を祈願するもので、神様が田植えの状態を見定めてくれると言い伝えられています。開始時刻より前にふるさと村を訪れると、まぶりっと衆がお供えするお団子を作ったり藁で作った馬に幣束を飾ったりと手際よく準備を進めていました。曲り家の屋根には、屋根を守ってもらうための魔除けとしてヨモギとショウブが飾られました。その様子を興味深そうにしてお客が集まり、初めに、まぶりっと衆の会長を務める菊池定邦さんが「馬っこつなぎ」について説明しました。用意された馬の人形は、幣束をつけた馬が天からのお使いの馬、幣束をつけない方が荷物を乗せる馬ということで、2頭が対になりそれぞれ役割があるということです。曲り家を出発し、まぶりっと衆を先頭に参加者が列を作って田んぼに向かいました。きれいに色をつけたカキツバタが道中を飾る中、参加者は、最初に、お地蔵さんへ団子やお菓子をお供えして手を合わせました。そのあと、田んぼが順調に潤ってくれるよう願いを込めて水口付近に馬の人形や絵馬などを設置していきました。植えられたばかりの小さな「ひめのもち」の苗は気持ちよさそうに風になびかれ、これからすくすくと成長していくような予感を漂わせていました。遠野ふるさと村では、収穫までの間、田んぼのお手入れ会や伝承行事の雨風祭りを予定に取り入れながら管理を行っていくということです。また、この日は、ふるさと村で収穫した餅米をつかって、昔ながらの臼を使った餅つき体験も行われました。餅には、邪気を払い健康にも良いとされているヨモギが加えられ、参加者は、自分たちでついた出来たての柔らかいお餅を食べて、季節の行事を楽しんでいました。

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